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破壊の魔王  作者: Karionette
アガド攻略編 第五章 アガド牢獄
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「いやだ!放して!!」


『無駄だ。静かにしていろ、イーリス』


「ゼロさんが、ゼロさんがまだ中にいるんでしょ?生きてるんでしょ?なんでこんなところで…」


『たとえクガネが無傷とて、あの崩壊のなかでは間に合わない。お前が行ってもどうにもならん』


「だからってじっとしてるわけには…」


『わからん奴だ。他者の協力で助かる命ではない。

あの破壊の方法を見ろ。とうに限界を超えて、生存のためにある魔力を燃やしている。もう欠片も体に力はないだろう』


「でも死んでない!死んでないよ!あのゼロさんだよ?死ぬわけ…」


『そうだ。今は死んではいない。あいつの性格だ。あの建物を瓦礫の山に変えるまで心臓は動いているだろう。だが、それだけだ。助からん』


「そん、な…」


『あの魔力は、生命維持のために本来なら利用することのない魔力だ。あれを使おうとして使えるのは、恐らくゼロしかいない。それを行うほど、あの場所を破壊することには奴にとっても意味があるという事だ』



アガド牢獄を飲み込むように、絡みつくように、絶対に逃がないと言わんばかりに破壊していく。

あんなものは見たことがない。禍々しく、悪魔らしい。


ゼロ、お前は何故死を選んだのか。


イーリスを縛る鎖を壊すために、何人もの命を犠牲にして自分さえも厭わないのか。



『助けにいくことはゆるさん。イーリス以外の者もだ』



可能性が1%でもあるなら、私とて救いに行く。

あいつの存在は私にとっても小さくない。


だから邪魔はさせない。

今の状態を、誰にも見られたくはないはずだ。お前ならば。



『今は、見守れ』



だが、願わくばその塔から飛び降りてくれ。

私がすぐにそこへ行くから。




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