表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
破壊の魔王  作者: Karionette
アガド攻略編 第五章 アガド牢獄
164/340

16




この体は不便だ。


子供の体が小さいからというのもあるけど、なにせ体力がない。


ぼくのような頭のいいやつが頭を回転させると、すぐに体力切れになってしまう。



ああ、眠い。

久しぶりに大興奮したし、疲れるのもしょうがないけど。

こんな状態じゃ、あの男の前にはいられない。危険すぎる。


あれは、悪魔だしね。


それにしても、ゼロ、か。


すごいな。さすがはコード:ゼロ。ティナ持ちになっても存在感が違う。


兄さんの研究のすべてが彼にあると、それが兄さんの遺言だったけど。すべて記憶しているってほんとかなぁ。


天才は天才だろうけどさ。

兄さんの研究成果なんて、腐るほどあると思うんだけど覚えられる?普通。


ま、兄さんは嘘は言わないから本当なんだろうけど。やっぱり口を割ってもらわないといけないのか。


はー、…あのコード:ゼロ相手にできるかなぁ。


そしてイーリスだよ、イーリス。

綺麗になったねぇ。ほんとに。


ぼくのような人間でも彼女は守りたくなる。できれば死んでほしくはない。


それでも、今はコード:ゼロとの交渉のエサだ。


闇の帝王の名にはふさわしくないけど、イーリスのことを大切にしてるみたいだし。利用できるだけして、できれば殺さずに済んだらいいな。うん。


闇の帝王といえば…そう、あれは厄介だった。

コード:ゼロをコード:ゼロじゃなくしたもの。

誰が、コード:ゼロを"闇の帝王"に()()んだろうか。


彼は悪者の仮面をかぶりすぎた。だから堂々と動けたりもしたんだろうけど、なんであんなことをしたんだろうか。


あの事件が起きて、自分でそれを行ったとするなら、本当に、頭がいい。著名になりすぎてぼくも手を出しにくかった。軍が関わってくるし、ぼくが追うよりも先に軍が追う。

表に出れないぼくにとって、伝説級に有名な罪人っていうのは一番都合が悪かった。


事故を装って死んだ扱いにすること事態無理。あの闇の帝王が事故死した、なーんて誰も信じられないし、軍も引き下がってくれないし、行方不明も追われている状態では無理。

だからって超有名な人物相手に、ぼくみたいなのが簡単に声もかけられない。


あっちから干渉してくれなければ、ぼくらは一生会うことはできなかっただろう。



「ふぅ」



それにしてもすごい偶然だ。


ぼくが逃がしたイーリスが、偶然コード:ゼロと会って助かって、そのイーリスがコード:ゼロをつれて、ぼくのところに来てくれるなんて。



「…できすぎてる、かな。少し。風がこちらに向きすぎている…」



風がこちらに向いているときは、向かなくなるときの反動が大きい。


ああ、いやだな。嫌な予感がする。



「イーリスを確保しとこう。イーリスは優しいから、今のぼくが出ても許してくれる」



子供の短い足を踏み出す。廊下を駆け、ぼくは転移魔法陣の部屋へと急いだ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ