02
警報の音。眩い光。
ゼロさんの登場は、国を揺るがすほどの警報に包まれていた。
直ぐに攻撃の音も続く。
「よい、かの?」
ルナが辺りを見渡す。
「いいぞ!ひとはぜろをおってる!」
今、わたしたちはルナに姿を消してもらって潜入を始めている。
予め銀さんから道は教えて貰ってるし、何度も実際に練習した。
途中、何度も鍵がかかっていたり、暗証番号もあったけど、鍵はルナが血で作り、暗証番号は銀さんから指示が来る。
順調すぎるほどに順調だ。
ゼロさんがうまくやりすぎてるし、銀さんの指示が的確すぎる。
『ここだ』
銀さんの声で足を止める。
そこには、見張りが大勢と、大きな穴。それは金属製のもので厳重に蓋がされている。
『クガネ。狩れ。一瞬にだ』
「う!」
クガネはルナとは違って、何も能力を使わない。だから、何も残さずに倒すことに長けてる。
数人いた見張りはほぼ同時に倒れてしまった。
「妾はここをこじ開ければ良いのじゃな!」
牢獄に繋がる穴。そして蓋。
分厚い金属の蓋だ。
「いーりす。きんちょーしてるのか?」
「………うん。すごく」
ここは、わたしの故郷とも言えるのだろう。
生きてきて、1番長く過ごした場所で、1番怖い場所。
『イーリス。わたしの案内はここまでだ。この先は通信が繋がるか定かでは無い。
だが、ここにいる2人は、この下にいるものが何人いようとも、大きく影響をしない。心理的な衝動のあるゼロやリオとはその点が違う』
銀さんの言葉と同時に、その蓋が開いた。
『安心しろと、無責任なことは言えない。だが、昔よりも遥かに安全だと保障しよう』
「…うん。ありがとう、銀さん」
大丈夫。大丈夫だ。
わたしだって、昔とは違う。
シルクたちを見つけるんだ。
「みんな、いこう」