04
眠りにおちながら、片隅で考える。
あれは何だったのか。
俺のものじゃないような、あの魔力。
白蛇と戦ったおかげであの魔力含めて在庫は空だ。もう暴れだすとも思えない。
ただ、あれは俺の魔力なのに俺のものじゃない。矛盾している。
思い当たるものとしては過去だ。過去の俺が、今の俺が知らない俺が、何かしたか。昔の俺が魔力操作ができていたなら、できるのかもしれない。
俺だって死なないための魔力は保管している。これを使えば死ぬだろうなって魔力は。
なら、緊急時用の魔力も残せるのかもしれない。
ティナに呑まれていっても、力の総量は変わらない。核というでかい貯蔵庫がだんだん覇力になって、結果どっちが占めているかって話だ。
もし、あの魔力も俺の核の魔力としてカウントしていいなら、思ったよりも堕ちるまでには時間があるのかもしれない。
まぁわからねぇがな。
いつ何が起きてもおかしくないのは変わらないんだし。
「眠りながら考え事とは器用なことをするな」
「……お前みたいに寝なくてもいい体じゃねぇからな」
銀は何処か睨むようにこちらを見ている。思い当たる節がないわけじゃない。
あーあ。めんどくせぇな。
「言おうが言うまいが何か変わったのかよ。俺がやる他ねぇし、やらねぇとルナティクスが止まるっていうならしょうがねぇだろ」
「だからといって報告を怠るな。別の方策を考えることもできただろう」
「そんな時間はねぇし、逐一報告するつもりは最初っからない。俺以外に出来る奴はいなくて他の方法を考える時間もなくて、結果うまくいったんだからガタガタ言うな」
「……ゼロ。あれでティナが進行することはない。だが、魔力を失うことで死ぬ可能性はあった。わかるだろう」
「だからなんだ。俺が死んだとして、マイナスはたかが俺の命で10年程度。ルナティクスが止まれば全員分で合計数百年は消えたんだ。釣りがくるだろ」
「そうか。激闘の後だからと思ったが容赦はいらんらしいな」
全身を貫く電撃と熱。激痛を感じるも声も体も動かない。
よくよく見れば体に焦げた跡も何もない。こいつ、痛みだけ与えてんのかよ。
「ルナティクスの皆を代表しよう。ゼロ、お前の命は安くない。たとえ数年数百年と時が止まろうとも、お前の存在が消えるならそちらを選択する。時の正負で測れるものと思うな」
抗議する前に首の神経に衝撃が走り、意識が飛んだ。
銀が最後に「休め」と言ったのが聞こえた気がする。こんな休ませ方あるかよ。
9月もおわり、急に肌寒くなりました。
皆様!
いつも読んでくれてありがとうございます✩.*˚
コロナ、インフルともに気をつけて
ゆっくりのんびり過ごしましょ^^*
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