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破壊の魔王  作者: Karionette
アガド攻略編 第二章 旅
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”兄貴を攫われたんだ”


”おでも攫われそうだったけど、兄貴が守ってくれた”


”アルテマは子供を集めてる。理由はおでにもわからない”


”でもわかるんだ。兄貴はきっと酷い目にあってる。死にそうになってるんだって”


”だからおでは、おではティナ持ちになった。そしてアルテマから兄貴を取り戻す”



アルテマと子供。


どういうつながりかは知らねぇが、それなら次に注視するのは子供についてだ。

貴族を追うにも限界が来ていたところだし、ちょうどいい。


子供を集めるとするなら、子供は攫われているか買われているかだろう。


となれば、子供の行方不明が多発しているのはアガドルークだ。で、子供を攫うのは当たり前だが犯罪。犯罪の情報が集まるのは、アガド牢獄ってことになる。


もともと、アガドは犯罪者や出所したやつが集まったような国だから、孤児も子供の売り買いもさほど珍しい物じゃない。

誘拐なんて、場所にもよるが珍しくもないだろう。全てがアルテマ関連だとは思ってねぇが、もし子供を集めているというのが本当なら、アガドルークでやるのが一番効率がいい。


ガーゴイルの言うことが嘘の可能性も否定はできねぇが、もともとアルテマが貴族と繋がってるとわかったのも、締め上げた暗殺者の証言だ。

人の口から出てくる言葉に信用性はないが、まぁ嘘はいっているようには見えなかったし、他に手がかりがない以上やるしかねぇだろう。


アガド牢獄なら、子供を誘拐した罪人や犯罪の頻度を調べることができる。そこから関連のある人物を拾えるはずだ。もしかしたら投獄最中の奴もいるかもしれない。


十分に、アルテマに繋がっていく可能性は考えられる。



「まさかアガドに行く理由が更にできるとはな」



結果的にイリスの依頼ついでに、俺の目的のために動けるわけだ。それなら多少困難だろうがやる気にもなる。


俺が前に入って、イリスが脱獄しているせいであそこの警備は固くなってる。あんまりやりたくはねぇけど、技のオンパレードになるかもな。となると、魔力を全快にする必要があるなぁ。



「ぜろ。どうしたんだ?」



魔力の欠片もない犬っころが起きたらしい。



「別に。これから忙しくなるからな」


「おれもてつだうぞ!いーりすのことだろ?」


「へぇ?お前が表舞台に出るのか」


「おれはたたかう!おれのむれをまもるんだ!」



クガネは尻尾をばんばんと床に叩き付け、耳をぴんと立てる。なにを興奮してんだか。



「ぜろ。おれはそうだんがある!」


「…おう」



こいつの言葉は時々、というかよく可笑しい。



「おれはむねがどくどくしてない。しんでいるのか?」


「さぁ、どうだろうな」


「ぜろはどうおもうんだ?」



心臓が動いていないと死んでいるか。


心臓という臓器で生き死にが決まるのかどうかってことか。


いきなり何を言い出すかと思えばくだらねぇな。



「生きてるだろ」


「どうしてだ?」


「お前は殺せるから」



痛みに鈍かろうが、体を刻めば死ぬ。

頭をもぎ取っても死ぬだろう。血という概念があるんだから無くなっても死ぬ可能性が高い。死ぬなら、生きてる。簡単な話だ。



「そうか!おれはいきてる!ころせるからか!」



なぜかクガネは嬉しげに尻尾を振った。








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