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ガーゴイルさんとゼロさん。
二人は仲良くお話しを始めた。
ガーゴイルさんは、そもそもきちんと話すつもりだったみたいだし、ゼロさんは何かする元気もなくなったとのこと。
ファインプレイ、わたしの地獄シチュー。
ん。なんでこれを作れるのかって?
おいしい物をつくるには、まずい物も知らないといけないとおもったんだよね。
あと、ルナに消化がよくて栄養価も高い物を作らないといけなかったから、その一環でできあがった負の財産なのだ。
効果は絶大。食べたひとは数時間動けない。今、わたしがそうだ。
二人はとんでもなく小声で喋っており、部屋の離れた場所で縛られているわたしに、会話は聞こえない。ティナ持ちならではの聴覚で聞いて、話しているようだが、パッと見では何もしないように見える。唇の動きさえほとんどない。
「…話は終わりだ。どこに行くでも好きにしろ」
そう言いながら、ゼロさんは立ち上がった。戸惑った表情で、ガーゴイルさんはゼロさんを見上げる。
「おでを殺さないのか?」
「その能力なら別に敵視する必要もなさそうだからな。次見たときは破壊してやる。お前のお仲間も待ってんだろ。早く行け」
空賊どうしの争いはこう着状態で、今はどちらも手出しをしない状態だったようだ。たぶんルルクさんが残してくれていたんだろう。
「あ、ありがとう、帝王。それからイーリスさんも。おでを殺さないでいてくれて」
それを最後にガーゴイルは飛空艇へと戻っていった。
「……ゼロさん、何か収穫はあったの?」
「まぁな」
ゼロさんは難しそうな顔をして、煙草に火をつけた。
それからわたしが横になっているところに乱暴にクガネを放って、その近くに座る。
クガネは起きない。さすがだ。
「銀と連絡をとる」
白い煙を吐きながら、ゼロさんは言った。
「アガド攻略を速める。手段は選ばねぇことにした」
「…急にどうしたの?」
「もう隠れてやる必要もない。俺もあそこに用がある…。つーか増えた」
ゼロさんは目を閉じる。
煙草の火は消えて、既に吸い殻も残っていない。
重いため息は疲労感を含んでいた。
「俺も、本気でいかねぇとな」
その言葉がなぜか嬉しくなくて、それについて不思議に思いながら、気づけばわたしは眠っていた。
忘れてた。あの地獄シチューにはものすごい疲労回復成分詰め込んだから、飲んだら寝ちゃうんだった。
ふと思った
みなさんどうやってこんな知名度ゼロの作品みつけてくるんだろう?
1日3桁PVつくとヒェっ!?なんで!?てなる笑
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