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「とても後味が悪かったです。けど最初に、王様が4人っていうのがまず想像がつきませんでしたね。聖霊を理由にしなくてもいざこざが起こりそうと思ったんですけど。結局理由は聖霊を呼びたいからって、すごく、周りに影響されすぎかな、と。」


王様といえば1人で玉座に座っているイメージだ。隣に座る王妃がいたり、側に立つ騎士や宰相がいることもある。それが基本イメージではないだろうか。


「なるほど。ナカタ様、ハセガワ様はどうでしたか?」


中田君はローナ先生に聖霊についてを聞きながら感想を言っていく。中田君は戦争のもとになった聖霊のことが気になったらしい。

咲ちゃんは王子の性格について。いい王様になれたのなら、何故そんなに聖霊について思い詰めたのか。中田君の話とリンクしてる。


「はい。ありがとうございます。皆さまそれぞれ視点が違って大変良かったですよ。」


褒めてもらった。けど感想の感想みたいなのはない。ただ聞きたかっただけなのかもしれない。


「先生はこの話を聞いた時どう思われましたか?」


「うーん、そうですねぇ。秘密にしておきましょう。授業にも人の性格が出ますからね。特に私の授業では私の私的な見解も入りますので、当ててみて下さい。」


うーん、あざといお爺ちゃんだ。今時、友達でもないのに私の考えを当ててみて?なんてなかなか言えないぞ。軽く笑ってるのがポイント高い。でもこういう人はしれっと何でもしそうに思えるし。そうでもないようにも思えるし。堂々巡りだ、やめておこ。


「じゃあ今度当てずっぽうしに行きますね。」


「そうなさって下さい。楽しみにしております。」


もうそろそろ時間になったらしい。最初の授業だから、わかりやすくて、大体の人が興味を持ちそう話題を選んだんだろう。次からは古代のことをやるらしい。


何にも喋らないまま座ってたブライト達はなにをしていたんだろう。そう思って振り返ってみるとなにかプリントを見ていた。多分何かの書類だろう。休日は昨日でおしまい?


「終わりましたか?次は属性学の先生がいらっしゃいます。今回は紹介だけですから、10分程度で終わります。コトリは私が見ますから、こちらに来て下さい。」


先生のおよびだから、ブライトの元による。椅子を持っていくのはなにかこの場ではそぐわない気がして、座るブライトの側に立っていることにする。


行ったと同時に、ドアが開いて男の先生と女の先生との2人が来る。男の先生の方が細い。女の先生は革のパンツを履いているからか、全身からパワフルな感じだ。ローナお爺ちゃんはいつのまにか部屋を出ている。


女の人が前に出る。

「水の属性を担当いたします。ラデイラと申します。主にナカタ様を指導致しますが、女性お二人ともともどうぞご気軽に話しかけて下さいませ。」


続いて男の人が。

「闇の属性学を担当いたします。フェルトと申します。主にハセガワ様を指導致します。どうぞよろしくお願いいたします。」

穏やかそうな男性だ。


ラデイラが前に出る。

「まず最初に、個別に皆様の認識をお教え願いたいと思います。長くはかかりませんので、私どもの質問に答えていただきます。」

進行はラデイラがするらしい。2人が個別に手招きをして、アンケートらしき紙を出している。中田くんと咲ちゃんが寄ると、顔を付き合わせて話し始めた。


「あれはどんなことを聞いているんですか?」


「さっきラデイラ講師が言っていらしたように、認識調査です。呼び出された者たちと、この世界の認識には齟齬があるので、まずその認識をこちらが知ることで円滑に講義を勧めるのでしょう。」


なるほど。私はしなくていいんですかね?ちらりとブライトを見ると、肩をすくめられる。


「言葉に認識も何もそれこそ人と付き合っていけば分かります。」


いい子にしてよう。うっかりボロが出ると危険因子扱いされちゃうかもしれないしね。怖い怖い。元のところにいるなら両手を挙げて降参のポーズを取りたいところ。


「そうですね。」


お互い、第一印象は最低でしょうけどね。


「ご不満なら、今は答えられないこともありますが質問してみますか。」


「結構です、遠慮しておきます。嘘を吐かれたら私わかりませんので。」


「そんなことはないと思いますが」


それが嘘でしょ。さらっと言わないで欲しい。そういうところが疑われるんです。


「毒を飲んでも平気な顔で食事に手をつけていそうです。」


「それは大袈裟でしょう。」


「毒を飲んでも死なないでしょう。」


「そうだったらいいですね。」


押し問答だ、終わらない。不毛というしかない。


「さっきから毒、毒と言っていますが、もともといたところでは王様とか貴族とかの身分制度重視な時代の時の王族がよく殺し合いや暗殺をしてたんですよね。」


物語の中とか、歴史でも。怖くない?王族って言うだけで殺伐としてない?華やかさとその裏になんたらかんたら、なんてすごくありそうでしょ。


「実際そういうことってあるんですか?」


ほら、認識を知らなくちゃいけないので。そんな怖い勘違いしてたらちょっと私が危険な人みたいでしょ、先にそういう確認ってしといた方がいいと思うんですよね。



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