お見合い話…
10歳になりましたー
「レイン…君に会わせたい方がいるんだ」
お父様が真剣な表情で私に言った。
「どうされたのですか?会わせたい方とは?」
「うん、実は王太子様なんだけどね。レインの婚約者予定なんだ」
「婚約者…」
「レイン、今の君の力はこの国に必要とされていてね…」
私は沢山の魔法をレックスから教えてもらった。そして魔物が出るたびにお父様達に付いて行き討伐に参加していたのだ。治癒魔法から攻撃魔法と…全属性魔法を使いこなすこの力を他国に渡してはまずいと思った王様が王太子の婚約者にして繋ぎとめようと考えてるようだ。
「これは、まだ決定ではないから。今度見合いの席を設けるそうだ。」
『ふぅん、王太子ねぇ…』
レックスが冷ややかな声で呟いた
「いや、私はレインの気持ちを優先したいと思っています」
お父様はレックスに説明する。
「大丈夫です、私はこの国が大好きですから。他国へ嫁ぐなんて考えたことありませんわ。まぁ、王太子様にはお会いしないとなんとも言えませんが…」
王太子様はお兄様とね同じ年齢だ。今は13歳になる。お兄様とも仲が良く気難しい性格ではないようだ。
『無理やり婚約させるなら私も黙ってないからね?』
ニャリ、とレックスは悪い顔で笑った。
「ふふふ、レックスったら」
『あははは、本気だよ(笑)』
それ、一番あぶないよね。
お父様がすごい汗をかいてます。あんまりいじめないでね?
ーーーーーー
さあ、ついに今日は王太子様とのお見合いの日です!
侍女達が完璧によそ行きの姿に変えてくれました(笑)
これ、別人じゃない?
『レイン綺麗〜』
「ありがとう、なんだか落ち着かないわ…」
『嫌だったら吹っ飛ばしちゃえ♪』
いや、それはダメだから…私は苦笑した。
コンコンっとノックの後にお父様が入ってきた
「準備はいいかい?レイン…」
「はい、お父様」
お父様が私を見て固まった…
「お父様?」
何かおかしかっただろうか?
「き…綺麗だよレイン〜ああ…出会った頃のシンシアにそっくりだぁ〜」
エグエグと男泣き…いやいや、お嫁に行くわけではないのですよ?今から泣いちゃダメでしょう。お母様にそっくりってまぁ、親子ですからね…