あれから3年
「これからは一緒に考えようね?」
そういってレインは笑った…。
あれから3年―――
レインに備わった能力はそれだけではなかったようで、いまレインはディスタ帝国にいた…。
「はじめまして、リリーナ様。私はレイン・ヴェルナーグ。カーヴェルス王国第一王子の婚約者でございます。」
ベットに横たわる女性…ルクスが助けようとしていたリリーナ・ディスタ第一王女。
レインに挨拶をしようと起き上がろうとするがその身体はもう少しで役目を終えようとしているように見えた…。
「大丈夫ですよ、そのままで…。お手を失礼いたしますね…。」
レインはリリーナの手を握り…生命力を与え始めた…。
本当はこんな事して欲しくなかった…。この行為はレインの寿命を縮める可能性があるのだ…。
それでも…レインは。
「レックス。私は長生きしますよ?そしてリリーナ様も救える未来が見えますから」
と、笑顔で言った…。私にはレインの未来はもう見えていない…。
でも、レインの心はちゃんと読める。レインに不安は無い。だからしぶしぶこの行為を認めた…。
レインが私から背負ってくれた能力は未来視…。
確かにあれで私の精神は病んでいった…。絶望しかない未来をレインはかえてくれた。
守るといったのに…私だってレインに守られてばっかりだ。情けないな…。
「今日はここまでにしますね。明日もお会いしにきます、リリーナ様今日はゆっくりお休みください」
レインはそういってリリーナに微笑みかける。
「あ、りがとう…」
声も出せなかったリリーナがお礼を言った…。
周りの侍女たちから歓声が上がった。
「皆様?あまり大声は出さないでくださいね?リリーナ様のお身体に障りますから」
レインは侍女たちをたしなめる…。
「さぁ。これで失礼いたします。」
そういってレインは共にきているアヴィルの元へ戻っていった。
「レイン、どうだった?」
アヴィルがレインを抱きしめながらリリーナのことを聞いてきた。
「もう少し遅ければ危ないところでしたね。でももう大丈夫です。アヴィル様、精霊達の方は…?」
そう、レインはリリーナの治療、アヴィルはそれと引き換えに精霊たちの解放を交渉しにきたのだった。
「あぁ。リリーナ王女の容態次第ですぐにでも精霊研究をやめ精霊たちを解放すると約束してくださったよ。」
「そうですか…良かった。」
ホッとしたのかレインの身体が少しグラついた…。
「おっと…」
すかさずアヴィルが支える
「ありがとうございますアヴィル様…」
「少し休むといい…」
「はい。」
レインを抱き上げアヴィルがソファに連れて行きレインを横たわらせ膝枕をした。
そして、いとおしそうにレインの髪を撫でていた…。
レインとアヴィルは相変わらず仲良しだ。
レインはとても幸せそうだ…




