何なのでしょう?
あれから数週間が経ちました…が、アヴィル様に会えません…
確かに私が「しばらく話したくない」と言ったのです。
ええ。自業自得ですね…。
もしかして、アヴィル様が私の心の狭さに呆れて婚約破棄!?
そんなの嫌っ!
どうしたらいいの??
前世でも恋人なんかいなかったからこういう時どうしたらいいかわからないわ…
誰かに相談?
でも…
「レイン、一人百面相~」
「っ!サナリア様…私、アヴィル様に捨てられるのかしら…」
「はぁ?」
「私が心が狭いから…ふぇ…」
もう、頭のなかがぐちゃぐちゃだわ…
「何でそんなに突拍子も無い事をいいだすの?ちょ、ちょっと落ち着きなよ~。大丈夫、お兄様がレインを捨てるなんてありえないから~」
「で、でも…あれから大分経ちましたが…一向にお会いできないのです」
「もう、本当にレインはお兄様が大好きなのねぇ~」
「うぅ~はいぃ~好きなんです…」
会えないのは寂しい…心が苦しい…アヴィル様に会いたいの…。
なんでこんなに悲しいんだろう…
『レイン様?』
「…ルクスさま?」
『俺がアヴィル様に変化しましょうか?』
…アヴィル様に?でも本物のアヴィル様じゃない…
「いらないです…」
『どうして?本物の様に演じますよ?』
「ほんものじゃないもの…そんなのむなしいだけ…」
そう、偽者のアヴィル様に本物の様に演じられても意味が無い。
私は私を愛してくれるアヴィル様に会いたい…。
私はまたアヴィル様を思って涙が止まらなくなってしまった…。
『姿は一緒なのに…どうして…』
「ちょっと、ルクス様?姿は一緒でも心が違うのよ~」
『こころ?』
「そう、心。」
『俺にはよくわかりません…。』
そういってルクス様はどこかへ行ってしまった…。
『レイン。』
「レックス…」
ルクス様が去るとレックスが出てきた。
『ふふふ、レインは本当にアヴィルが好きだね』
「うん…でもレックスも好きだよ」
『知ってるさ。私だってレインが大好きだからね』
「うん…私も知ってる…ずっと一緒だもんね」
『…そうだね。ずっと一緒だ』
「レックスなんだか疲れてる?」
『大丈夫だよ…レインが心配する事はない』
レックスは優しい目で私を見つめる…。
なんだかレックスが遠くに行っちゃいそう…何でそう思うんだろう?
「師匠?」
『何かな、サナリア?』
「お兄様はまだ忙しいのかしら?レインをこんなに放っておくなんて…」
『ふふふ、大丈夫だよ…ほら』
レックスが扉を指差す…そこには、数週間ぶりの…
「アヴィル様!!」
私は走ってアヴィル様に駆け寄り抱きついた。
アヴィル様だ!アヴィル様だ!!
ぎゅーと抱きしめるとアヴィル様も抱きしめ返してくれた。
「レイン!ごめんね。全然会えなくて…しかもあの時のことも…」
「いいのです!私の心が狭かったんです!ごめんなさい、アヴィル様…」
アヴィル様と見つめ合う…
アヴィル様だ…私の好きなアヴィル様の目…
『…あははは、頼むからそういうのは二人きりになってからにしてよ~』
「まったく…私たちがいる事忘れてますね~?」
あっ!そうだった…。
「ははは、ごめんごめん。」
「ごめんなさい…」
私は恥ずかしさから真っ赤になってしまった…
さっきまで大泣きしてたのも…今思い出すと恥ずかしすぎる…穴があったら入りたいっ
レインさん、情緒不安定気味…。




