アヴィルとルクス
「レインに会えない…(泣)」
あれから数日…レインにちっとも会えません…それもこれも、父上が大量に王子しての仕事を渡してくるからだ…。
「兄上、これは仕事ですから…。」
カイルは少し申し訳ないと思っているようでたまに手伝いに来てくれる。
『えっと…俺がレイン様に変化しましょうか?』
光の精霊ルクス殿がたまに私の仕事部屋にやってくるようになった…。
…それやってもらうとまた良くない事になりそうだ…。
「いや、遠慮しておくよ…」
『そうですか?』
「もしレイン嬢になってもらっていちゃついてるとこに本物がきたらもっと複雑になっちゃうからね~」
ああカイル、サポートありがとう…。
とりあえず、レックス殿がレインにうまく言っておいてくれるとは言っていたが…本当は自分からちゃんとレインに説明したいんだけど。
レインは許してくれるかな…。私はこんなにヘタレだったのかなぁ…。
はぁ、レインに会いたい…そのためにも早くこの仕事を終わらせないとな…。
…ん?これは、ディスタ帝国に関する情報か?
―――――――
現在ディスタ帝国はモンティスタ国王が精霊から魔法の力を引き出す道具を国を挙げて研究中。
リリアナ王妃はリリーナ王女を出産後、肥立ちが悪かった為王子5歳皇女2歳の時に死去。
息子リデスタ王子は精霊の力を使い近隣諸国を侵略中。
娘のリリーナ王女は病弱のため城から出た事はない。
地形に関しては岩肌が多く見られ緑が少ない。
天候に関しては日照りが多く雨があまり降らない。
食料に関しては今は問題なし。
医療に関してはまだ途上中。
――――――――
ふむ…精霊の力を使って戦争を仕掛けているのか…。
ここからはだいぶ離れてはいるが父上はこの帝国を警戒しろとおっしゃっているのだろうな…。
「兄上何かありましたか?」
書類に見入って動かない私にカイルが声をかけてきた。
「いいや、少し疲れたと思ってな…。お茶をもらえるか?」
「わかりました。」
カイルが部屋を出て行った。
『ねぇアヴィル様…。』
「何かな?ルクス殿」
『アヴィル様はレイン様のどこが好きなの?』
はぁ?急に何を言い出すんだ?
「いや、どこって…」
そんなの語りつくせない…
『あの子よりもっと可愛い子沢山いるよ?』
「は?私にはレイン以上の女性なんかいないよ」
レインよりかわいいだと?ふざけてんのか??
ルクス殿は何が言いたいのかまったくわからない…。
『…ごめん、怒らせるつもりじゃないんだ…。アヴィル様はこの国の王子様なんだろう?もっと他に側妃候補とかいないのかなぁと思ったんだ』
側妃ねぇ?そもそも私は王子なだけで次期国王ってわけではないんだよなぁ…。
「私は次期国王候補ではあるが確定されているわけではないよ?だから側妃とかいう話は無いね。」
『えっ?そうなの??』
…私のほかに王子はカイルとダリルがいるし…私はレインさえいてくれれば…。
「…何か思う事があるのかな?」
『ううん!なんでもない!!俺その辺散歩してくるね!』
…うそが下手な精霊様だな。




