おめでたいねぇ
「フレイア様とミスト様すごかったですね。」
私は隣にいるサナリア様に声をかけた。
「うんうん。あんな大勢の前でねぇ~」
『はぁ…うらやましいです~』
カリーナ様がポツリと呟いた。
カリーナ様も乙女ですものね。あんなふうに言われたら恥ずかしいけど…すごく嬉しいと私も思う。
「でも、師匠はあんなこといわないよ?」
サナリア様は冷静に突っ込む…。
そうね、確かにレックスはあんな事言わないわ…
『私が何だって?』
ビクッ!
私たちは背後から聞こえたレックスの声に驚いた。
レックスっていっつもすごいタイミングで声をかけてくるんだよね…。
ていうか、レックス。アヴィル様についていってたんじゃなかったの?
『なんでもないです~』
カリーナ様はあせっている…。
「師匠~フレイアがついにミスト様とくっ付いたんですよ~」
サナリア様はレックスに先ほど会った事を話し始めた。
『へぇ…そりゃめでたいね。そういえばミストの喜びの波長が流れてたねぇ~』
喜びの波長…レックスってそんなことまでわかるの?
『なんかね~わかるんだよ…なんでだろうねぇ~?ミストは精霊の力もあるからなんとなくわかるんだ。』
ちらりとレックスはカリーナ様のほうを見る。少し困ったなぁって顔をしている。
カリーナ様はサナリア様と話をしていてレックスが見ていることに気がついていない…。
まさか…レックス。カリーナ様の感情もわかってる??
『レイン。わかってるけどそれはまた後でね。』
ふおおおお。本当にでもあえて何も言わないのね?
カリーナ様…相手に感情駄々漏れって…なんだか可哀想…。
レックスのその力はやっぱり異世界からきた事によって備わったものなのかなぁ…。
「レックス、アヴィル様は?」
『アヴィル?もう少し生徒会の仕事してからサロンに行くって言ってたよ~』
「そっか…。」
『なに?アヴィルに甘えたくなった~?』
レックスがニヤニヤしはじめた…。
「そ、そんなんじゃないもん…」
「ふふふ、レインたら照れちゃって~素直になればいいのに~。ねぇレイン?お兄様にちゃんと愛をささやいているのかしら?お兄様はレイン一筋だけど、言い寄ってくる女性はいるのよ?」
「サ、サナリア様!?」
まさか、サナリア様からもそんなこと言われるなんて!
『レインはもう少しアヴィルに自分の感情を出さないとさ~アヴィルも不安におもっちゃうかもよ?それこそ他の女に…』
「わ、私のことはいいんです!サロンに行きましょう!」
『「はいはい~」』
あぁ…この人達はいつも冷やかしてくるんだもの。こまっちゃうわ…。
でも…確かにアヴィル様は私に好きだとか言ってくれるし、行動でも示してくれるけど…私はアヴィル様に感情をさらけ出しているかしら?もう少し自分からアヴィル様に…でも…はしたないって幻滅されたりしないかしら?
他の人はどうやって恋人と心を通わせているのかなぁ…。




