特訓
『さて、ミスト今日から精霊の力を安定させる為の訓練を始めるよ~』
「はい!よろしくお願いします」
ミスト様はやる気満々だ。ところで、なんでフレイア様もいらっしゃるんですか?
『フレイア…。カリーナと一緒にミストに向かって魔法を打つんだ』
「はいで~す!」
え?フレイア様も参加ですか?
『フレイアさま~いきますよ~』
「おっけ~で~す!」
フレイア様とカリーナ様がミスト様に向かって魔法を放つ!
『【ウィンド】!』
「【ライジング】!」
『ミスト、【ファイアーウォール】だ』
「はい!【ファイアーウォール】」
ミスト様の瞳が深紅に変わる…フレイア様とカリーナ様の魔法が炎の壁によって打ち消された。
おおお~すごい~。
『これくらいの魔法なら影響はないのか…。』
「そうですね…防御魔法では身体の変化はないみたいです」
『フレイア、私の力を少し貸すから【ライジングスピア】を撃って見てくれるかな?』
レックスはフレイア様に声をかけた。
「【ライジングスピア】ですか?!私それはまだ扱えるレベルじゃないんで~すが…」
フレイア様は不安そうだ…レベルが違う魔法を使おうとすると暴発する恐れがあるからだ…
『大丈夫だ、私が力を貸すときは暴発はしないよ。不安ならレインに保護魔法をかけてもらっておこうか?』
え?私ですか?ええ、できますけど…。
『ふふふ、レイン。復習みたいなものだと思えばいいよ。う~ん。そうだね、じゃぁレオンと共同で保護魔法をかけるというのはどうだろう?』
「「共同?」」
私とお兄様の声がハモった。
『そうだ。二人の魔法を絡めて保護魔法を発動するんだ、レインは木属性、レオンは水属性だ』
絡める…私とお兄様は顔を見合わせ、そして互いにうなずく…。
木の葉の保護のイメージにお兄様の水の流れを組み込んで行く…
「【リーフプロテクション】」
「【ウォータープロテクション】」
二つの魔法が交わり薄い膜を作った…。
『うん。いいね。二人とも複数人に保護ができてる。じゃぁフレイアやってみようか!ミストはフレイアの【ライジングスピア】にこの前使った【ファイアースピア】をぶつけるんだ』
「はいで~す!ミスト様いきますよぉ~」
「わかりました」
フレイア様にレックスが精霊の力を貸す…。
「【ライジングスピアー】」
「【ファイアースピア】!」
ミスト様は自身の精霊の力を使う…。
ドォン!と魔法がぶつかり砂埃が舞う。
「はわわわわ~すごい威力で~す」
フレイア様の声が聞こえた。無事のようだ。
「大丈夫ですか?フレイア様…」
ミスト様は風圧でしゃがみこんでいたフレイア様を気遣い手を差し伸べる。
「は、はい。大丈夫で~す…」
そう言ってミスト様の手を取り立ち上がったフレイア様。
あ、ミスト様がフレイア様の顔についてる汚れを拭ってあげてるわ。
ふふふ、フレイア様嬉しそう。
「ねぇ、レイン。あの二人は付き合ってるの?」
お兄様は二人を見て私に聞いてきた。
「どうなのでしょうね?少なくともフレイア様はミスト様に好意を抱いていると思いますが…」
うまくいくといいですね…フレイア様?
『いちゃつくのあとにして~』
レックスが二人に声をかけた。
あ、レックス邪魔しちゃだめじゃない…良い雰囲気だったのに。
「っい、いちゃついてなんて…」
あ、ミスト様が顔を赤くしてあせってる…
「そ、そんなんじゃないで~す!!!」
(これは脈があるのでしょうかお兄様?)
私はお兄様を見た。
(レックス様の一言で一気に意識した感じだね)
うんうん、とお兄様がうなずいた。
ふふふ、楽しみですね。あ、レックスがこっちを見て呆れた顔してるわ…。
『ミスト。身体はどんな感じだ?』
「あ…縮みそうです…」
ミスト様はしょんぼり顔…。
『やっぱり【ファイヤースピア】か…。上位魔法はもう少し控えたほうがいいな…。次の時は下位か中位魔法を数をこなして様子を見てみよう』
「わかりました。ありがとうございます」
『じゃぁ。ミストとフレイアは端っこでいちゃついてていいよ。どうせもうすぐミスト小さくなるし~。さて、レイン、レオン次は君たちの番だね』
あぁ…レックスの笑顔がとっても黒くみえるわ…
「「お、お手柔らかに…」」
お兄様と私はこの後鬼の特訓によりへとへとになってしまった…。




