ある日の午後…
ある、うららかな午後…私は学園のサロンでティータイムを楽しんでいた…
「ねぇ、レイン?」
「なんでしょうか?アヴィル様」
「うん…私は君だけをお茶に誘ったはずなんだけど…」
ちらりとアヴィル様は私の隣に目をやった。
「あら、おかしいですね。ここは学園のサロンですもの?周りに人がいるのはおかしい事ではありませんよお兄様?」
私の隣の席にはサナリア様が座っていた。
「…いや、それはそうなんだが。席は沢山空いているのになぜサナリアはレインの隣にいるんだい?」
ひややかな笑顔でアヴィル様がサナリア様に問う。
…うん、チーズケーキおいしいなぁ~。
「わたしだってレインが大好きですもの。一緒にいたいのですわ」
ふふん、とサナリア様は私の腕に自身のそれを絡めてきた…。
「くっ!」
アヴィル様は悔しそう…何を張り合っているのでしょうか?
「サナリア…何か願いがあるならそんな遠まわしな事をせずに言えばいいだろう…」
あら?サナリア様はアヴィル様になにかお願い事があったのですね?
ぱぁ!っと明るい表情になったサナリア様…
「今度レインと一緒に舞踏会にいきたいんですの!」
ん?舞踏会?そんなの近々あったかしら?
「待て、サナリア。レインは何も知らないようだが、なぜ私に許可をとるんだ?」
そうですよね?私何も誘われてもいませんよ、サナリア様?
首をかしげてサナリア様を見た…。
「ふっふっふ…だってただの舞踏会ではないのですもの!」
「「?」」
私とアヴィル様は顔を見合わせた…ただの舞踏会じゃないって…なんですか?
「一日限りの出会いを求める仮面舞踏会ですの~!!」
「却下だ!!」
あ、アヴィル様が即答だわ…。私にはアヴィル様という婚約者がいますし、別に出会いなども求めていませんよ…。
「結婚前に少しは遊ぶべきよ!レイン!!一緒に行きましょう~」
「駄目だといっているだろう!!!」
アヴィル様の額に青筋が…
「あら?お兄様自信がないのかしらぁ?」
「…なに?」
あの…またなんか、私を置き去りにして勝手に話が進んでいく気がする…
「レインに惚れられている自信がないのですわね~!小さい男です事!」
…サナリア様、アヴィル様をあおるのはやめてください(泣)
「う、うるさい!」
「サナリア様?それくらいでおやめください…いくら妹君でも私の大事な婚約者様をいじめないでくださいね?大丈夫ですよ、アヴィル様?私はアヴィル様をお慕いしておりますから…」
アヴィル様が涙目で可愛いけど…こんな人の多いところで本当に泣いちゃったら王子としての威厳が…。もうすでに目立ってしまっているけど…。
「レイン…」
あぁ…アヴィル様可愛い…ぎゅ~ってしたいわっ
よしよし…私はアヴィル様の頭を撫でた…。
「…だってぇ、お父様が一人じゃだめって言うんですもの…レインお願い~、一緒にいってよ~」
あら?サナリア様も涙目に…かわい…っていやいや。
「ダリル様といかれてはどうなのですか?」
「ダリルと一緒じゃ新しい出会いなんて期待できないもの…」
そういうものですかねぇ?
「というか、参加資格とかあるのか?」
「招待状が必要なだけだけど…2枚しかないの…」
「そうか…。」
アヴィル様が何か考え込んだ…。
「レイン。私は君を信じている…。」
「は、はい?」
嫌な予感しかしない…
「サナリアを頼むよ…」
「やった~!!お兄様ありがとう~」
…アヴィル様も妹に弱いのね…わかりましたよ
「わかりました。サナリア様ご一緒いたしますね。ちなみにその仮面舞踏会はいつあるのですか?」
「3日後よ!大丈夫準備はこっちでするからレインは来てくれるだけでいいの~」
サナリア様すっごい楽しみみたいですね…。私は少し憂鬱ですが…。




