問いただしました…
ブックマークありがとうございます!
ゆっくりですが頑張ります。
「…はぁ、疲れた。」
サナリア様がしゃがみこんでしまった。
『ごめんね~。ちょっとミストの能力を見極めたかったんだよ~』
「…え?ぼくですか?」
ミスト様は戸惑いを隠せない。
「あ、ちょっといい?レックス。先にヒュドラと戦ってた人たちがいなかったんだけど…もしかしてヒュドラに…?」
食べられちゃったんだろうか?と不安になってしまった。
『あぁ。守るのもめんどくさいし、カリーナに言って先に洞窟の入り口に転移させてたよ~』
そうなんだ…ちょっと安心したわ。
『さて、ここにいる皆はこれから私が言うと事は他言無用でね。』
ん?なんだろう??それぞれがレックスの言葉にうなずく。
『ミスト、君は人と精霊とのハーフだね?炎の槍を出したとき君の瞳は火の精霊のように深紅になっていた…普段は緑なのにね。』
「「「え?」」」
「…はい。魔法を使う時は自分の精霊の力が出てくるので…瞳の色が変わります」
精霊とのハーフ…お父さんかお母さんが精霊って事?
『ふむ、精霊が人と偽って結婚した感じなのか、それとも分かっていて…?ん~そんなのはどうでもいいか…。』
「…母の名は、レーニ」
『レーニさまですって??高位の火の精霊様じゃないですか~。あれ?そういえば最近お姿を見なくなったと聞いたことが』
「ええ、そうです。ぼくを産んで母は消滅しました。」
…話についていけないわ。どういうこと??
「確かに、かつては高位だったのかもしれません。ある帝国からこの国に逃げてきた頃の母は、弱っていたんです。この国はとても精霊にもやさしい国です…。少しでも回復できればよかったんですが、この国でも、回復の見込みがなく消滅するのを待つだけならばと…ぼくを産んだんです。自分の記憶を引き継ぐ者として…。父は母の最期の願いを叶えたに過ぎません」
『ふむ、その帝国では精霊に対して何をしている?』
レックスが険しい顔になっている…高位の精霊が消滅まで追い詰められるほど弱っていった…この国では精霊から人に力を貸してくれる…。自分達が消滅するほど力を使う事はまずないだろう。じゃぁ、その帝国がしている事はこの国とは逆の…?
「…今はまだわかりません。私の力も安定しておらず記憶もとぎれとぎれなのです…。」
『そうか…記憶が戻ってきたら早めにおしえてくれるかな?この国も他人事ではすまなくなると思うからね。私も知っている精霊に話を聞いてみることにするよ』
「は、はい。よろしくお願いします。」
レックスは私と共に異世界からきた精霊だ…昔からここにいる精霊たちのことが詳しいわけではない。この世界の知識はカリーナ様やアクア様のほうが上だ。
私ももう少しこの国以外のことを調べてみよう…。
バタバタと足音が聞こえた…
「みんな、無事か!?」
あ、先生がた…そうか、カリーナ様が戻した生徒達が先生に連絡したのね。
私達は顔を見合わせて・・・
「「「「大丈夫でーす」」」」
にっこりわらって返事をした。




