歓迎パーティー7
「とりあえず、リシア様。拘束させていただきます【ヴァイン】」
呆然としているリシア様を私は蔓で拘束した。
「【ピュアヒール】」
リシア様のあの狂乱をみると精神に何かしら精神異常があるように思える…
私は、精神の回復魔法を唱えた…するとリシア様は意識を失い倒れこんだ。
よし、こっちはいったん落ち着いたわね。さて…
私は、いまだに呆然しているレックスの前に行きレックスを抱きしめた。
「ねぇ、レックス私はなんともないよ?このドレスの血も私のものじゃないの」
『…レイン?』
「うん。私は大丈夫。どこも痛いとこなんてないの、だからレックス安心して?」
『わ、私は…あのときのようにレインを守れなかったんじゃないかと…』
レックスは泣いているようだった。あのときのように…レックスは私が前世で死んだときのことを言っているのだろうか。
私が傷ついてこんなに怖がるなんて…。
『こ、今度こそ守るといっておきな「レックスのおかげで私は強くなってる。だからそんなに簡単にしなないよ。」
レックスの言葉にかぶせるように私は言った。
「レックスが暴走して精霊じゃなくなったら、もう私とは一緒にいれないんだよね?」
『いやだ!私はレインと一緒にいるっ!!』
「うん、私もレックスと一緒にいたいよ…だから、もう心を落ち着けてね?」
『うん…わかった』
そういうと、レックスのまとう空気が変わり、レックスの瞳もいつもの色に戻っていった…。
『レックスさま~!よかった~~~~』
カリーナ様がまたわんわん泣き出した…
カリーナ様、さっき思いっきり大笑いしてたのに…まぁ、カリーナ様もレックスと一緒にいたいんだもんね。
―――――
リシア様はいったん学園側で拘束された後、王国の騎士団に連行されることが決まった…。
後日、詳しい取調べがされるだろう…
ベリル様はリシア様の最初の攻撃で腹部に大怪我を負っていたが、私とお兄様の回復魔法がうまく効いたようで傷も残らないようだ。
ただ血を多く流してしまった為、しばらくはエーディオン伯爵家で療養することが決まった。
「そういえば、お兄様?」
「なんだい?レイン」
私が首を傾けてたずねると、お兄様も首を傾けた。
「アクア様というのは…」
『レオンに加護を与えた精霊だ。なんというか、そのせいでレインのそばに来るのがおくれた…』
レックスは苦虫を噛み潰したような顔をした…
『おお、我か。水の精霊のアクアだ。以後よろしくな。いや、レックス殿、レイン殿、我の本当に申し訳ない…』
アクア様は水の精霊らしく、クリアブルーの髪にブルーの瞳だ…ただ話し方は少し変わっている…
「そうなんですね!私は無事でしたから、お気になさらず。アクア様お兄様をよろしくお願いいたしますね!」
『あぁ。任せろ』
アクア様は嬉しそうにお兄様のそばについた。
「アクア様の加護のおかげでベリルに使った回復魔法の精度が上がって傷も残すことがありませんでした…本当にありがとうございます」
お兄様は涙目だ…私もベリル様が無事で本当に良かったと思った。




