歓迎パーティー6
「レックス!」
『ごめんね~レイン、またせちゃ…て』
私の姿を見たレックスが目を見開き、固まった…
『…レイン』
レックスの表情が険しくなっていく
「?」
私はレックスがなんでそんなに怖い顔になっているのかわからず戸惑ってしまった。
『良い度胸だ…』
レックスの周りに黒い風が集まり始めた…
「レックス…?」
今まで見たことのない表情に私はどうしていいのかわからずレックスの名を呼んだ…
「「レイン!」」
「アヴィル様!お兄様!」
「遅くなってすまない!レイン、ベリルにかけてる魔法を解いてレックス様を止めろ!アクア様【キュアウォーター】」
『我に任せろ!』
私が急いでベリル様に使っていた魔法を解くとお兄様が回復魔法を唱えた。アクア様…って?精霊様??
「レイン、レックス殿が君をみて暴走しかけている!」
アヴィル様がレックスの怒りの表情をみてそう言った。
「ぼう…そう?」
「そうだ、守護精霊は守護対象者を守れなかったと判断すると理性を失い暴走するんだ。今の君の姿はレックス殿にとって絶望でしかないだろう」
アヴィル様も私の姿をみて、つらそうな顔をした…
私の今の姿…ドレスについた血はもう赤黒く変色していた…頬は少し擦れて血がにじんでいた。
「でも、この血はベリル様の…」
「だとしてもだよ…そんな姿私だって見たくないっ」
『私の守護する者を傷つけた報い、うけてもらおうか…』
「うるさいうるさいうるさい!!!!精霊だかなんだかそんなのしらなぃぃぃぃぃぃ!!!!私の幸せを奪った奴らを許さない!!!!」
『ハン!五月蝿いのはお前だ…イカールとかいう奴の復讐か?よく言うよ、お前がけしかけたんじゃないか!!』
「「「え?」」」
さらっと、レックスがとんでもないことを言った…。リシア様が、イカール王子をけしかけてアヴィル様を害そうとしたの?
『何が幸せを奪っただ。自分で自分を不幸にしてるんだろう?じゃぁお前が死ねば良いじゃないか』
そういうとレックスの瞳の色が変わりだした…そう…闇の色へ…
『レックスさま~。それはだめです~!おさえてください~!』
カリーナ様が慌てたように近寄ってきた。
『もしも、レックスさまが暴走してあの女を殺してしまったら精霊ではいられなくなってしまいますぅ~』
ええ?!レックスが精霊じゃなくなる?!
『レインさま~レックスさまをとめてください~』
わんわんとカリーナ様が泣き出してしまった…止めるといっても…一体どうすれば…そうだ!
「…レックス…ごめんねっ!!」
私はレックスとリシア様に…【ウォーターボール】をかぶせた…
バッシャーーーーン!!!
「「…は??」」
ポカンとするアヴィル様とお兄様。
『「…え?」』
何が起こったかわからない。という顔のレックスとリシア様。
『あははははははははは!れいんさま、うける~~~~~~~~~』
カリーナ様は…大うけでした。
『なんというか。我はああはなりたくないな…』
気をつけよう…と、ポツリ呟くアクア様。
私だってこんなことしたくないけど…レックスならこれで止まると思ったんだもの…
シリアスは難しい…




