歓迎パーティー4
最初レックス視点→レオン視点です。
『ふふ~ん♪この学園には沢山精霊いるんだなぁ~。居心地いいやぁ~』
私は、レインたちがダンスしている間にこの学園内を見て回る。沢山の木々に綺麗な池もあった。
『ここまで手入れがされてる場所ってめったにないよなぁ~』
精霊にとって住みやすい場所が昔より減っているとこの世界に来るときに聞いていた。
『レックスさま~』
『カリーナ、どうしたの~?』
『あの~、レオンさまの仲のいい水の精霊がよんでおりますわ~?』
『レオンの?』
レオンは水の精霊に好かれていた。だがまだ、加護をもらうにいたってはいなかった。
ふむ…何か厄介なことができたのかな?
『じゃぁ、その子のとこにいこうかな』
『ご案内いたしますわ~』
カリーナの案内で水の精霊に会いにいった。少し…急いだほうがいいかな?
――――――
「あ、アヴィル!」
僕は、生徒会の部屋に向かう廊下でアヴィルを見つけた。
「ん?レオンか…お前だいぶ厄介な相手に目をつけられたな」
あぁ…もう知っているのか
「情報が早いな…すごく困ってるんだ」
僕は眉根を下げてアヴィルをみた…
「カイルの情報だ。ベリル嬢は大丈夫だったのか?」
「あぁ、怪我はなかったが、とても怯えてしまって慰めるのが大変だった。今はサナリア様たちと一緒にいるよ」
そう、歓迎パーティーが始まる前にベリルは階段から落ちた…いや、背中を押されたらしい。
見回りをしていて階段を上ってきていたカイル様に助けてもらったそうだ。カイル様の話では逆光で押した相手の顔を見ることはできなかったが女だったようだ。
「今うわさになっている女が原因か?」
「…おそらく。最近まわりをうろうろしてて…何度もパーティーのエスコートをしろといわれたよ。もちろん断ったけどね。僕にもあっちにも婚約者がいるんだから当然だろう?」
「あぁ。しかし、アレはあきらめていなかったようだな」
「何かしらの対策をしたいんだが、力をかしてくれないか?」
「そうだな…未来の義姉君だからな。まぁ、このことはレックス殿に相談しようと思ってたんだがレインに聞いたらお出かけしてるといわれてね。探してるんだが…」
この学園は精霊にとってとても過ごしやすい場所だ。
何代か前の王様が精霊が沢山いて子供たちがよりよい環境で勉学に励めるようにと調べに調べ抜いてここに学園を作ったそうだ。
「僕にも精霊様の力があればベリルを守れるのに…」
この学園に来てから沢山の精霊様が力を貸してくれる。でも加護をもらうまでには至っていない。
アヴィルは困ったように僕の顔を見ていた。
「精霊様に加護をもらえるのはなかなかないことだからな…私も加護は持っていなし」
「そうだね…手を貸してくれる精霊様はいるんだから。贅沢言ってはだめだよね。」
でも、僕のせいでベリルが傷つく姿なんて見たくない…
「レオンは本当にベリル嬢が好きなんだね」
僕は赤くなる顔を見られないように「あぁ」とだけ呟いた…




