歓迎パーティー2
私はアヴィル様にエスコートされて歓迎パーティーの会場へ入った。
会場はとても煌びやかでとても綺麗だ。
端のほうには立食形式で用意されている食事と執事やメイドが待機していた。
「学園の歓迎パーティーとは思えないくらい素敵ですね。」
『人が沢山だ~。精霊もちらほらいるなぁ~』
「全校生徒が集まるしね。やはりこれからの学園生活を楽しいものにしなくてはいけないからね。この場で皆少しずつ知り合いを増やしていくんだよ」
「そうなんですね」
私も少しでもお友達ができるといいな…。
会場に入って学園長のちょっぴり長いお話を聞いた後は楽団演奏によるダンスが始まった。
私もアヴィル様とホールで1曲踊ったあとのどが渇いたので飲食スペースに移動した。
「兄上、レイン嬢」
「あぁ、カイルか」
「御機嫌よう、カイル様」
カイル様はアヴィル様の異母弟でダリル様のお兄様だ。
オレンジの髪に黒に近い青い瞳。髪は背中までありひとつにまとめている。
カイル様は情報収集を得意とする方で幅広い交友関係を持っている…らしい。口調はちょっと…軽い感じだ。
「レイン嬢相変わらず美しいね!兄上に泣かされたら俺のとこに逃げておいでね」
カイル様はそういって私にウインクした。そう…誰にでもこんな感じなのだ。
「こら、カイル。レインにちょっかい出すんじゃない」
「ふふふ、大丈夫です。カイル様、アヴィル様はおやさしいですから」
これはいつものカイル様の冗談だ。
「そう?残念だなぁ~。あ、そうだ兄上…ちょっと」
カイル様はそういってアヴィル様に耳打ちをした…何かあったのかな?
「…そうか。ありがとう」
「いいえ~。じゃぁレイン嬢!歓迎パーティー楽しんでね~」
と、手を振って去っていった。
「レイン、レックス殿は…いるかな?」
「レックスですか?レックスはダンスしている時に学園を見てくるといっていましたが…」
「そうか…じゃぁちょっとサナリアたちのところにいこうか?」
急にどうしたんだろう、と思ったが私は「はい」とうなずいた…
「レイーン!こっち~」
「サナリア、ちゃんと挨拶!」
そういってダリル様がサナリア様を注意した。
「御機嫌よう、サナリア様、ダリル様」
「御機嫌よう、お兄様、レイン」
「兄上、レイン嬢。もうダンスは終えられたのですか?」
「あぁ。サナリア、ダリルすまないが少しの間レインと一緒にいてくれないか?生徒会のほうで用事ができてしまったんだ」
「そうなんですね。わかりました!」
「では、レインと一緒にお話してまっておりますわ」
任されて嬉しいのか、サナリア様とダリル様はとてもいい笑顔を返してました…
「お忙しいのですね。私のことはお気になさらず、お仕事にいってください」
「レイン。サナリアとダリルがいるから大丈夫だと思うが、変な虫についていってはいけないよ?」
「虫…ですか?ついていきませんけど…」
アヴィル様は私の返事を聞いて苦笑した。
「すぐ戻るからね」




