リシア・フォルター
私はリシア・フォルター
フォルター公爵家の一人娘。5歳下にオーレンという義理の弟がいますわ。
この義弟はお父様がどこの馬の骨とも知らない女に産ませた子らしいけれど私は認めないわ!
今は我が物顔で屋敷を歩き回って憎たらしいったらありゃしないわ!
お母様はオーレンが来てからお部屋に篭ってしまって私とも会ってくれなくなった…お父様はオーレンに公爵家を継がせるためにいろいろと教えているようで…家に帰っても私は一人…私の居場所がどんどんなくなっていく…もうあんな家どうでもいい…私はいずれ嫁いでいくのだから。
そう、私には小さいころから婚約者がいましたの…ちょっとお馬鹿さんでしたが私のことをとても大事にしてくれた方でしたわ。
でも3年前に相手側の都合で破棄されてしまいました…お父様には理由を聞かせてほしいと何度もお願いしたのですが、それはかないませんでした…
その婚約者は他国の次期国王になられるお方でしたの…そう!
私は次期王妃だったのです!
それなのに…婚約が破棄され、次の婚約者になったのはカルネ・バラライカ。
侯爵家ですのよ?
次期王妃予定だった私が!どうしてそんな格下の家に嫁がなければならないの!?
しかも、このカルネ・バラライカという男ちっともなっていませんの!
私を呼ぶときに「おい!」とか「お前」とか…理解できませんわ!
口調は貴族とは思えないし、野蛮だし!身だしなみも整えれないのよ?
あんな男、私には似合わないわ!!
お父様に何度も婚約者を変えてほしいとお願いしたのだけれど認めていただけなかった…
私はこの国の次期国王との婚約でもよかったのに。私が婚約破棄されたときに第一王子に婚約者ができたとかでだめだった…その婚約をやめさせたらよかったんじゃないかしら?私のほうが次期王妃にふさわしいのに…
兎に角!格下の家なんて絶対嫌!だからしかたないじゃない?
自分で自分に釣り合う男性を見つけるしか…見目麗しく私の家柄に見合う男性を…
それなのに!あぁ!!あの男!
レオン・ヴェルナーグ!!!
私がせっかく声をかけて差し上げたのに!許さない…
私に誘われて断る男なんていなかったのに…絶対に許さない…
私はこんなに不幸せなのに…ほかの人間が幸せになってるなんて…許せない…
あの男の幸せを壊してやるわ…
婚約者は今日から学園に…ということは一学年ね…
そういえば、今朝、妹と一緒に学園に来てたわねぇ…第一王子の婚約者レイン・ヴェルナーグ。
第一王子はあんな小娘のどこがいいのかしら?
あら、ふふふふ…
イイコトオモイツイチャッタ―――――
どんどん病んでいきます…




