歓迎パーティー1
「――――それでは一度寮に戻り、この後の歓迎パーティーの準備をしてください。」
入学式が終わりそれぞれの寮の部屋に戻る。
このパーティーは婚約者がいる人は婚約者にエスコートされ、いない人は各自でエスコート役を見つけなくてはいけない。
私はもちろんアヴィル様がエスコートしてくださる。
「レイン、じゃぁまた後でね!」
「はい。また後でお会いしましょうサナリア様」
サナリア様の婚約者はまだ決まっておらずエスコートは異母弟のダリル様がすることになっているそうだ。
「サナリア、パーティの前にむかえにいくからな~」
「よろしくね。ダリル」
ダリル様は腕を振りまたなーと笑顔で部屋に戻っていった。
さて、私も戻ろうかな。
――――
「お嬢様、ドレスはアヴィル殿下から送られたもので良いとして、アクセサリーはどうしましょう?」
メイドのコーラルに問われ…
「そうね…アウイナイトの首飾りもってきてたかしら…?」
「アヴィル殿下の瞳と同じ色の宝石ですね!はい、準備いたします」
『本当にレインはアヴィルが好きだな~』
「レックスったら…あ、そうだレックスに聞きたいことあったんだ。」
『ん?なに?』
「精霊もその…恋愛とかするの?」
『れんあい~?あ~人間みたいに結婚っていうのはないけど…気が合えば子供とかできるよ?』
「そうなんだ…じゃぁレックスも…」
『私?うう~ん今のところそんなの考えたことないなぁ。この世界で私は異質な精霊だからねぇ』
「そうなの?」
『そうだよ~。まず虹色…全属性の精霊なんていないからねぇ。昔いったと思うけど私はイレギュラーでレインにくっついてこの世界に来たわけだからさ。前世は神の一種だったわけだし私にはそういう感情はあまり持ってないんだよ』
レックスは気にしないで…という顔で私に微笑んだ。
「うん…」
コンコン…
「はい、おまちくださいませ」
かちゃ
「やぁ、レイン迎えにきたよ。」
「御機嫌よう、アヴィル様」
アヴィル様は私を見て
「うん、やっぱりそのドレスを贈ってよかった。よく似合ってるよ。アクセサリーも…嬉しいな私の瞳の色だ。」
と、とてもいい笑顔だ…
「ありがとうございます…」
「ふふふ、私の婚約者はどこまで私を魅了するのかな?抱きしめたいが、せっかくのドレスが皺になってしまうから今はあきらめるよ…」
アヴィル様が妖艶に微笑み、私の頬にキスをした。やばい、パーティーが始まる前に私のHPが0になってしまう…
「あ、あの…」
「そろそろ時間か…仕方ないでは行こうか?」
「はい…」
こうして私はアヴィル様にエスコートされ会場へ向かった。
―――――そして今、私のドレスはなぜ赤く染まっているのでしょうか?




