サナリアとダリルと…
レックスの暴走は止まらない…
前世でテレビで見た漫才や喜劇がとてもお気に召していたようで、まさかこっちの世界でそれをはやらそうと思っていたなんて私はしらなかったのです(泣)しかも!なぜ王族にそれをさせているのか―――
馬車が学園に到着し校舎まで歩いていると、アヴィル様の妹姫と異母弟王子がいた。
「御機嫌よう、レオン様、レイン様」
「やぁ、レオン、レイン嬢」
「ご入学おめでとうございます。サナリア様、ダリル様」
「お久しぶりでございます、サナリア様、ダリル様」
『やっほ~、サナリア、ダリル~。調子はどうだい?』
「「お師匠様!後ほど特訓の成果をご覧に入れます!!」」
え…お師匠??お二人とも、お師匠というのはレックスのことなんですか?
『うんうん。楽しみにしてるよ~』
『レックスさま~。私もだいぶツッコミができるようになったの~。楽しみにしててくださいね~』
『カリーナ。うんうん、楽しみにしてるよ~君は筋がいいからねぇ~』
カリーナ様はレックスの返事に顔を赤らめ嬉しそうにしている…まるで恋しているような表情だわ。
え?そういうことなの?精霊同士も恋愛するの?
「レックス…」
『なに~?』
言いたい事は沢山ある。聞きたい事も沢山ある。
が、今は聞けないな、うん。
「いえ、やっぱりなんでもないわ」
あとで教えてもらいましょう。
「…レイン、入学おめでとう」
後ろから大好きな人の声がする。
「アヴィル様!」
私はぱっと後ろを振り返った。
17歳になったアヴィル様はとても格好良く背後に薔薇のエフェクトが見える気がするわ。
「うん、普段のドレスも似合っているが、制服姿もいいね。レインよく似合っている。私の婚約者殿はどうしてこんなにも可愛いんだろう」
そういって私の手をとり口付けをした…
「あ、ありがとうございます」
朝からあまーーい!!恥ずかしすぎる…
周りにいる女子生徒は顔を真っ赤にしている…あ、あっちの子は鼻血出してる…そうだよね、アヴィル様のキラキラフェロモンは耐性がないとやばいと思うわ。
「ん?サナリア、ダリルもいたのか」
今、気がついたといわんばかりにアヴィル様はサナリア様とダリル様に声をかけた。
「御機嫌よう、お兄様」
「いたのか。はひどいですよ~兄上。まぁ兄上はレイン嬢しか見えてないのでしょうから仕様がないですがね?」
やれやれ、って顔してますねダリル様。アヴィル様はこれが通常運転なんですよね…
『やっほ~、アヴィル。』
「レックス殿、いつも弟たちにいろいろ教えてくださってありがとうございます」
にっこり笑うアヴィル様…知ってるのね。レックスが教えてるものを…
「父上も母上もダリル達のまんざいをみてとても喜んでいましたよ」
「そうなの!お父様もお母様もとても笑ってくれたのよ!」
「やっぱり大好きな人たちの笑顔っていいよなぁ~。こっちが逆に幸せになるよ」
『わたしも~がんばって練習したかいがありました~』
ええええ…もう国王様たちにはお披露目してたのね…
『そうだろうそうだろう…笑顔は世界を幸せにするのだ!』
…れっくす、確かにそうだろうけど。何かが違う気がするわ。
カリーナの恋の行方…あるのかな?




