いろいろあったんだ…
場所をかえて…お城にやってきました。
『さて、アヴィル…レインがお前を好いたからこそ、私は前に手を貸そう』
レックスは、そう言った。私がアヴィル様を好きだから…
『私は、何事においても第一に守るのはレインだ。ぶっちゃけてそれ以外はどうでもいい…が、レインが悲しむことはしたくない』
「あぁ…」
『この国交…本当はやめたほうがいいがそれはできないんだよね?』
「そうだな…友好を結ぶために国王ではなく王子同士の親交を深めるものだといわれているから…」
アヴィル様は複雑そうな顔をした。先ほどレックスが言っていた隣国の王子の振る舞いはアヴィル様は好ましく思っておらずむしろ合わないのではないかと思う…でも国と国の友好の為そんなことは言ってられないのだろう。
『どうもね…あの王子、イカールはアヴィルのことよく思ってないみたいでさ。意地悪しようと考えてるみたいだよ。食事のときにちょっとした毒とか?』
「毒!?」
国賓でくる王子に毒なんて…ありえないわっ!一体何を考えているのかしら?
『レイン…相手は何も考えてない…だから馬鹿なんだ。まぁその毒自体は少ししびれたり…寝込むくらいの軽いものなんだけど…問題はね…』
ほかにも問題が??
『あぁ、それに便乗して毒をすり替えようとしている輩がいてね。そっちの毒は死に至るものだ…国賓できた者に毒を盛る…国王たちは失墜する。それに取って代わろうとする者たちがいるんだ…』
イカール王子が、馬鹿なことを考えてそれを利用されるのか…それだけのためにアヴィル様の命を狙うの?
「回避策はありますか?」
アヴィル様が冷静にレックスに問いかける
『だから私が手をかすんだよ』
レックスの答えに私はホッとした…
レックスは私を見て言った。
『レイン、しばらく私はアヴィルにつくよ』
―――…
アヴィル様とのデートから1ヶ月がたった…
あれからレックスはアヴィル様についてモノバカ国に行きさまざまなことからアヴィル様を守ってくれた…らしい。話を聞いているとこちらが青ざめることばかりで、本当によく無事に帰ってこれたなぁと思ってしまった。
『いや~、ほんっとうにしつこかったわ~』
「本当にレックス殿には感謝しかありません。私もこんなに大変だとは思いませんでした。すいませんが私はこれで失礼します。国王に報告しなければならないので…レイン、また会いにきますね」
「はい、アヴィル様。」
そう、毒殺が失敗したら次は暗殺未遂、誘拐未遂…もうなりふり構わずなんでもしてきたそうだ。
レックスはそれらをすべて返り討ちにし(ただし、レックスの姿はアヴィル様以外は見えず実際はアヴィル様が返り討ちにしたように見せかけたそうだ)モノバカ国の国王に突き出したそうだ。イカール王子も一緒に…ていうか、王様敵多くないですか?
国王はアヴィル様に土下座するように頭を下げ、イカール王子を王位継承者からはずし、まともな第二王子を継承者にしたそうだ。アヴィル様はそれを認めカーヴェルス王国とモノバカ国の友好が成された。
『これでレインのそばにもどれるよ~レイン、褒めて~』
レックスは私にギュ~と抱きついてきた。
「ありがとう、レックス…本当にお疲れ様」
微笑みながらレックスを撫でる…
『はぁ…幸せ~』




