呼ばれて飛び出て…
私たちはアリーさんとジョエルさんにお礼を言って別れた。
「あの…アヴィル様本当にご迷惑をお掛けしました…」
「いや、私も君から目を離してしまったのがいけなかったんだ。怖い思いをさせてしまってごめんね」
『全く…しっかりエスコートできると思ったんだけどなぁ…まだ目が離せないかぁ。』
「「えっ?」」
急にレックスの声がした…
「レックス…」
「レックス殿、すまない…」
『でも…必死にレインを探すアヴィルは私は良いと思うなぁ。でもさ、アヴィルも王子様なんだからさ踏ん反り返って兵士とかに命令とかしないの?自分で探さなくても動かせるんだろ?』
「ちょっとレックス!失礼だよ?」
急になに言ってるの!?
「ふんぞり…かえったりしはしませんよ。自分の私利私欲のためには命令なんかしません。そんな人間には私はなりたくない」
アヴィル様は苦笑いした。
『ふぅ〜ん?今日さ〜暇だったから何ヶ所かの王宮にお出かけしてたんだよ。そしたらさ〜なーんかエッラソーな王子様がイロイロ命令してたからさー。王子ってあんなんなのかなぁと思っちゃった♪もしアヴィルがあれと一緒だったらレインは渡せないなぁと思って〜』
レックスはニヤニヤしながらアヴィル様を見た。
え?どこの王宮に行ってきたの??てか、バレたらやばいんじゃないの??
「…レックス殿がどこの国の王子を見たのかはわからないが…そんなにひどかったのかな?」
『ひどいもんだね…特に隣、モノバカ国?』
あぁ…とアヴィル様がため息をついた。
「アレと一緒にしないでほしいな…」
『まぁ、そうだろうね〜』
クスクスとレックスが笑った…
『アヴィルさ、今度モノバカ国に国交で行くんだっけ?すこーしさ、不穏な動きがあるからきをつけなよ』
アヴィル様の顔が険しいものになった…
「それは…」
『ん〜、ねぇレイン?レインはこれからアヴィルとどうしようと思ってる?』
レックスはアヴィル様を無視して私に問いかけた。
「どう…とは?」
『今日のデートは楽しかった?またデートしたい?』
デっ!デート!はぅ…たしかに楽しかった…話もたくさんした。迷惑かけちゃったけど、私を探してくれて嬉しかったし…抱きしめてもらえた時には、とても安心した…
『ふむ…なるほどね。』
「レックス?」
『ふふふ、アヴィル。レインは君を好いてるようだ。』
「レックス!?」
「えっ…」
私の顔がどんどん赤くなる…なんでレックスには分かっちゃうのよ。
アヴィル様をチラッと見るとアヴィル様の顔も同じくらい赤くなっていた…
「レイン…本当に?」
アヴィル様が信じられないって顔してる。
可愛い…
「は、はい…今日はたくさんご迷惑をお掛けしましたが、私はアヴィル様をお慕いしております…」
「ありがとうっ!」
ギュッと抱きしめられた…うぅ、恥ずかしいけど安心する…私もそっとアヴィル様の背に腕を回した…
『こほん…』
「「あ…」」
『悪いね〜お二人さん。邪魔しちゃって〜。』
レックスが悪い顔して私たちを見た。
『まぁ、いいけど〜。あ、ここじゃなんだから場所変えようか?』
そういえば道端だった…
護衛さんも生暖かい目でこちらを見ていた…。
レックスはお節介なおばちゃん的な存在になってきた…_(:3 」∠)_




