4話 生と死について
「・・・ふぁ~ぁ」
「おはよう兄さん!」
「あぁ、おはよう…」
昨日はあれからこいつ、妹が暴走気味になり俺に何回もキスをしてきた、一日三回と決めているはずの事を破り計6回した
「!え、えへへ…ごめんなさい兄さん昨日は・・・」
「・・・昨日だけだからな、あんな」
「!う、うん!」
たかがキス如きにこんな疲れるとは思いもしないだろう、だが妹のキスはかなり疲れる、理由激しすぎるから、俺が息を吸おうとしても無理やりしてくるからそのおかげで頭に酸素が回らなくなり疲れるというよりクラクラする、などと思っていると階段を昇ってくる足音が聞こえるこの宿谷は二階建てで俺と妹は二階で寝ている、そして足音と共に扉が開かれ
「おい!!仕事の時間だぞ!!早く着替えて起きろ!!」
「!はい」
「!!は、はい!!」
起しに来る人、この人は昨日の上司人のもう一人の人、この人は上司より怖い、だが真面目な人だちなみに俺達が起きる時間は朝6時、三年前と違い早起きでかなりきつい
そしてそれから俺達兄妹はこの人から渡された朝食を摂り今仕事場へ歩いて居る
「ねぇ、聞いたかしら?最近外に居る化け物達が活発化してるって」
「えっ、そうなの?」
「えぇ、門の上から見たらしいのよそれで化け物達の動きとか活発になってるとか、後ここに居るのが耐えられなくなった人が外に出て食べられらたとか」
「へぇ~・・・あんな地獄の場所によく行けるわねぇ…」
一応こんな世の中だがそれなりに結婚している者達も居る、そしてこの人達がその結婚している者の二人だ、こんなご時世で結婚していて周りからは平和ボケが抜けない愚かなババアと言われている
「…ッチ」
「…今の聞いたか」
「うん・・・化け物達が活発化してるんだってね…」
化け物の活発化、これは俺達にとって良くない知らせだ理由としてはあいつらが活発化する事によって今俺達が居るこの街の中に入ってくると言う事、勿論門を破られて入ってくる
「…なんだっけ、化け物達が活発化する事によって人間を感知しやすくなるんだっけ?」
「あぁ、あいつらは活発化する事によって人間でいう五感がより鋭く研ぎ澄まされる事によって人間を感知しやすくなり人間を喰い殺しに来る、もしあんなでかい化け物達が入ってきたなんて言ったら一瞬にして俺達はあいつらの餌食だろうな」
化け物達、あいつらは常に食欲に飢えている、理由は知らないそれとあいつらは目がない、その代わり聴覚がかなり研ぎ澄まされているそのおかげで少しでも音を出してしまうと見つかる
「…でも、一応倒す手段はあるんでしょ…?」
「…あるにはあるが三年前みたいに核兵器も何もない、ただの大砲ぐらいだしな」
核兵器がなく、何故大砲があるのかその事については俺は、俺達は何も知らないただ上の者達は何かしら知っているのだろう
「化け物達の弱点は火、だよね?」
「あぁ、あいつらは深海からやってきたからなゲームと同じで水には火、これだな」
あいつらの正体については何も知らない、でもこれも仕方がないたった三年、たった三年しか経っていないんだあいつらの事について知れるわけがない知ろうとすれば殺される、誰が好き好んで死ににいくのだろうか、ただこれだけはわかるあいつらは手足があって二足方向、そして稀に四足方向顔は例えようがない
「おい」
「!はい」
「は、はい」
「朝っぱらからくだらねぇ話しをしてる暇があったらとっとと仕事しろよ」
どうやら俺達が話しをしている間にもう仕事場についていたらしい
「す、すみません」
「すみません!」
「…わかったらとっととやりやがれ」
俺達を蔑んだような目で見ながら上司のもう一人は言った、蔑まれた理由としては先程の怪物の話をしたからだろう
「ふっ!!」
「…やっぱり」
「?あ?なんだ?」
「みんな、化け物の話すると機嫌悪くなるよね…」
「…そりゃ、そうだろ自分達を捕食する胸糞悪いヤツの話なんかしてたら機嫌悪くなって当たり前だろ」
「!うん、そうだよ、ね」
「・・・」
俺達はいつも震えながら暮らしている、いつやつら(化け物)に門を壊され入ってくるかなんてわからない、だから口にみんな出さないようにしてる、異種の禁句と言って良い程
「なんか、さ」
「ふっふっ、ん?」
「夢、みたいだよね、この現実が」
「…三年前とすっげえ一気に変わっちまったからなまさかこんな事になるなんて思いもしなかったよな」
三年前、それはとても平和な世界だった、ましてや戦争なんて一か所二か所あるかないかがある国ぐらい、他は強盗や殺人などそれぐらい、と言ってはおかしいがそのぐらいだった、それが今では逆だ無慈悲な世界で平和なんて夢のまた夢、強盗も殺人も増えている戦争の事についてはまず怪物が居る今する必要もない、いや元からする必要すらもないが
「…うん、ねぇ兄さん」
「なんだよ?仕事しねぇと怒られるぞ」
「…兄さんは怖くないの?死ぬの」
「?は?何言ってんだお前、怖いに決まってんだろ怖くないとかそいつ生物じゃねぇぞ」
妹のその質問に対し俺は苦笑いしながら言った、怖いに決まってる俺達は三年前まで平和の中で暮らしていたただの高校生、ただの一般市民なんだ、怖くないわけがない
「!うん、そうだよね…ごめん兄さん、兄さんがあまりにも気にしてなさそうに見えちゃったからごめん」
「謝る必要なんてねぇだろ俺はただ考えたくないんだよ、自分が死ぬことなんて、ましてやあんな人を同じ人種を捕食するヤツらの事なんて」
自分が殺される、捕食される所を想像しただけでも寒気、吐き気がしてくるまである
「う、うん、えっと、ごめん兄さん私結構気にしちゃうタイプだから、さ」
「気にしすぎも体に悪いから考えるな」
と言っても考えてしまうのが人間だが