仕事も大事だ☆Yo!
よろしくお願いします。
「オイッ!このギルドじゃ、依頼を出す事ができねぇーのかァ?・・それとも何か?まだ依頼内容も聞いてねーのに、俺の依頼はGランクだとでも言うのかぁ?ア"ア"ぁん?」
ハイ!只今ギルドのカウンターで委員長タイプの美人受付嬢にチンピラっぽいセリフを言いながら凄んでいるアハト22歳です!(この身体の設定は22歳) この様な事をしているのにはもちろん理由があります。決して俺が美人をイジメるのが好きなSだとか、ツマラナイ事やチョッとした事でキレる現代日本の若者の様な性格、という事ではありません・・・ホントだよ?
実は、ムーさんに頼まれた仕事なんだよねぇ〜いや、マジで!
なんでも、ここのギルドが桜市との交易に関係する護衛や街道の安全確保の依頼などの情報を流しているうえ、故意的な日時や依頼内容の偽り操作などをしているらしい。しかもギルド長は色々な調査などを上手く躱しているので証拠は無い。桜市側としては内政干渉になるので『輸送ルートに関しての抗議』が精一杯で憎らしい存在らしい。そして遂に桜市側が怒筋を浮かべ『ここらで1回ガツンとやっとくか!』という事になった。
ガツンとやる計画内容は、
① 王国やギルド本部に事前に裏工作をし言質を取る。
② ギルドで揉め事を起こす。
③ それを大義名分にしてギルド長を引っ張り出す。
④ 桜市側の偉い人が出て来て話しをする。
で、俺の仕事は②と③で現在は②にあたる・・・・ほら!俺の人間性じゃ無かったでしょ?
委員長ちゃんは最初『あ、怒らせちゃった!』って顔してた。まあ冒険者が相手の仕事だし、こんな事くらい結構あるハズだし慣れてるとは思うけど・・でも、今回は相手が悪かったネ!よし、
『チンピラスキル発動!』
お〜ビビってる、ビビってる。まあ、血走った目でメンチ切ってるうえに俺の背後から『ゴゴゴゴゴ‼︎』と擬音付きの炎の様なオーラが出てるからねぇ。あ、オーラみたいなのは対象の委員長ちゃんにしか見えないから大丈夫!ちゃんとスキル発動前にOFFにして・・・・って、無いッ⁉︎ え、ウソ〜ん‼︎
周りを見れば、皆サッと目を合わせ無いように俯いてる・・ う、ウン!結果オーライって事で。
「受付のネーちゃんよ〜、じゃあGランクの依頼を出すから処理してくれや。・・それとも別の支部か、別のギルドに行きゃーイイのか?王都の魔術師ギルド本部とかによぉ⁉︎」
フッ、フッ、フッ 。他のギルド、特に魔術師ギルドの名が出ると依頼を回したく無いよね〜。魔術師ギルドに回した依頼が、かなりのマージンを抜かれて結局冒険者ギルドに回って来る。しかも王国3級指令付きで。だったら最初から冒険者ギルドで!って思うよね〜、特にここのギルド長は!
委員長ちゃんは、『どうしよう⁉︎どうしよう⁉︎』って感じになってる。さてトドメだね!
魔法の袋から依頼料の金貨を出す。日本の銀行で硬貨を50枚づつ巻いてある透明やつ、あれの金貨バージョンだ。金貨は厚いから1巻き20枚だけどね! ドサドサとカウンターの上に置く、25本。日本円だと5千万、異世界での価値は2億5千万の価値。
さて、この異世界での億越えの仕事は最低でもAランクパーティー、普通でSランクになる。罷り間違ってもGランクの依頼でもなければ下級冒険者が絡める依頼でも無い。
「・・依頼料だ。2500万セルある。 早くGランクの依頼発注書を出せ!』
金額を見て想像を働かしたか、ガタガタと震え出す委員長ちゃん。そ〜だよねー。こんな大金をポンッと出す以上、国か貴族か桜市の関係者以外考えられないもんね〜。
しかもGランクの依頼。内容からして結局は高位の冒険者がする事になっても、高位の人達が金はともかく最低レベルの依頼を受けるかどうか・・彼等も立場やメンツってもんがあるしね!
それに、こんな大金の依頼の対象ランクをGに設定したギルドは必ず問題になる。そして関わった人間は責任を取らされるだろうねぇ。損害賠償、解雇、借金漬け!心の中で合唱〜。
「・・黙ってりゃいいってもんじゃねーぞ!・・チッ! 責任者ー!出て来いやぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ 発注書出さねぇんなら俺はこれから、依頼主の桜市に行ってから王都に向かうぞ!」
と金貨を仕舞い出したら奥の衝立から課長か部長みたいなおじさんが
「ま、待って下さいー。お、お願いしますーー!」
と必死な形相で走ってやって来た。俺は待ってました!とばかりに
「ア"ん? 誰だテメーは?責任者かぁ?」ギロリと目線をそちらに向けました!
「ヒッ!ははは、はい。う、受付課の課長をして、います。」
「おお!そうか、課長さんか〜。ま、ジ〜ックリとお話ししたいところだけどよ、俺はこれから急いで桜市の外地特別対策局に行かねーとマズイんだわ。 じゃッ!そーゆう事で‼︎」
とサワヤカにサムズアップ付きの笑顔をして出した金貨を全て仕舞い踵を返す。
「おお、お、お願いです〜。お待ちくださいー。は、話しを聞いてください〜〜‼︎」
カウンターから出て来て俺の前に回り頭を下げる汗だらけの課長さん。
「俺、もうこのギルドに用事はねぇーんだけどぉ?じゃあね〜!」
「ま、待ってくださいッ!どーすれば、ど〜すれば話しを聞いて、もらえますか?」
「・・あのさぁ〜課長さんよ〜。今、アンタが出来る事はGランクの依頼発注書を持って来るか、ここの最高責任者を呼ぶしかねーんだよ!解るぅ?・・・とりあえずギルド長呼んだ方が良いんじゃねぇのかなぁ〜?」
この2択なら、まあ普通はギルド長だよね?別に最悪、発注書の方でもいいけどネ!
「そ、それでは、至急ギルド長を呼んで来ますので、元の窓口でお待ちください、お願いします‼︎」と課長さんはダッシュで奥の階段に向かって行った。
俺は1番窓口に戻ると、倒れた椅子はそのままにしてカウンターに腰掛けタバコを吹かす。チラッとカウンター内を見れば委員長ちゃんが先程と同じ場所で相変わらず『どうしよう』を繰り返していた。
「お前が桜市の使いか!」後ろから声をかけられたから『んん?』と斜に構えながらそちらを向く。冒険者ギルドの支部とは言え長である以上、結構迫力があるのかな〜?なんて思ってたけど、普通のおじさんでした。事前情報だと元Aランク冒険者みたいだけど、見た感じ日本の中小企業にいそうな性格最悪ダメ課長みたいな感じ!
「・・で、アンタがギルド長かよ?」
「ウチのギルドでこんな事起こして何が目的だ!」
「・・もう1回聞くぜ?テメーがギルド長かッ?」
「俺の質問に答えろッ‼︎」
「・・名前も名乗らねー、役職名すら言わねぇ〜そんな何処の誰だか知らねーヤツに何を言えって言うんだヨ?上司がそんなだから下もアホなんだゼ?」
「小僧、死にてえのかッ‼︎ディザイアシティーで俺を知らねえなんて何処の田舎者だ!質問に答えたら命だけは勘弁してやる、とっとと吐け‼︎じゃなきゃ殺す‼︎」
「ほぉ〜!桜市からのメッセンジャーだって知ってて殺すって言うんだナ?・・・ヤレるもんならヤってみろやッ‼︎おっさん‼︎ だがな〜この手紙を見ても同じセリフが言えたらイイなぁ?」
俺は超ドヤ顔で書類を出す。王国とギルド本部からの公文書、しかも準2級指令のオマケ付き。それを◯門様の印籠の様におっさんの顔の前に突き出した。おっさんは、ひったくる様に公文書を取り中身を見だした。
そしてその場に膝から崩れ落ちた。まあ、今まで裏金を受け取っていた本部が自分を見捨てたうえに王家と繋がり出したって感じで、人生八方ふさがりの気持ちなんだろうな。ハイ、ご愁傷様〜!
「あ〜それから、俺を処分して〜なんて考えているんだったら止めた方がいいゼ?・・」
下級依頼コーナーに居て騒ぎの様子を見ていた、ごく普通の冒険者がアハトの方へと歩いてくる。
歩いて来る途中で身体の輪郭がぼやけると次に現れたのは忍者の格好をした青年。その青年がギルド長に言う。
「桜市、王国、ギルド本部からの合同依頼で来た臨時第2級査察官、影草です。・・桜市側の特別使者に対して殺人をほのめかすとは、それがどういう事か解ってるのですか?」
はい、④にあたる桜市の偉い人です。しかも実力も認められている人のようです。
ギルド長のおっさんは、公文書がショックだったのか忍者さんの方へは虚ろな目を向け見ているだけ。むしろ委員長ちゃんの方が震えてしゃがみ込んで粗相をしていた・・・
俺は懐から魔術札を出し、なぞり、イメージし、命令し、委員長ちゃんの頭上に水魔法を展開して
「チッ!・・おい!受付のネーちゃんよう、詫びの一言くらいあってもいいんじゃねぇか?」
水魔法が委員長ちゃんの周りを水浸しにする。俺は委員長ちゃんのそばまで寄って腕を掴み立ち上がらせる。
「ギルドの事は忍者さんに任せるとして、俺はこのネーちゃんに個人的に謝罪をしてもらわねぇとなぁ⁉︎・・もちろん連れてってイイよなぁ?」
ギルド長は放心したまま、課長さんは下を向いたまま。他の職員はというと見渡して目が合うと顔を背けている。忍者さんには目配せ一つ、ウン、OK!じゃ〜、レッツ、テイクアウト‼︎
「他の人間に迷惑かけたくなければ来い。」
委員長ちゃんの耳元で囁き、引き摺る様に腕を引き外に向かう俺。何処をどう見ても屁理屈付けて権力を使い女の子をお持ち帰りしようとしているゲスイ奴でしかありません。そんな犯罪者チックな俺は、とりあえず入り口を出るときに小さく声を出す。
「お仕事終了♡」
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