愚者の集まり①
初めまして。初投稿になります。普段は読み専ですが自分でも書いてみたくなり投稿しました。システムに慣れてないですが頑張りますのでよろしくお願いします。
第1話〜3話は現代編です。あらすじからの続きは4話からになります。
1ー①
愚者の集まり
今、この国で1番激アツな町『ディザイアシティー』は、金、女、酒、賭博、暴力の町でもある。貴族や権力者、それにマフィアや裏組織のようなアウトロー達の覇権争いが日々行われている悪徳の街、それが欲望の街である。
5年前までは、大河を使った防御拠点の一つの城下町に過ぎなかった。
しかし向こう側と繋がった事により事態は一変する。
出入り口のある日本の領土になった桜市から歩いて半日の距離。そして幾つかの街道などが交わり、首都への最短ルートの道が作られると交通、交易の要の場所となり爆発的に町は発展した・・・・・表も裏も。
ディザイアシティーは娼館、酒場、飲食店、宿屋などが密集しているこの国最大の歓楽街があり、その場所を北と南で分断する様に "酒場通り" と呼ばれる大きな道が通っている。その酒場通りと公園通りが交差する十字路の南角に "マーシーズBAR" と呼ばれる酒場がある。
店は夜の時間が始まったせいか盛況だ。色々な種族や職業の人々で賑わうその酒場の奥のテーブルに5人の男女が座っている。
そのテーブルの、黒髪で全身灰色の出で立ちをした男が魔法のバッグから色々な物を出し、
「頼まれてた品物持って来たぜ〜」と配り始めた。
身体は大きく癖っ毛の短い金髪で寡黙な騎士の様な雰囲気を持つ男のテーブルの前には・・・
熟女系のエロ本5冊だ。しかも読者全員サービス使用済みのパ◯ティー付きで!
ブツを貰った "騎士崩れの男" は 「・・・ありがとう!ブラザーよ‼︎」と黒髪の男の背をバンバンと叩き喜び、早速ページを開こうとして
「「「「ココでは見るな!」」」」
と皆から突っ込まれ『うッ!』と手を止める。ならばと読者全員サービスの方へと "そ〜っと" 手を伸ばしかけるが
「触るな!」「嗅ぐな!」「被るな!」「履くな!」 「「「「オカズにするな‼︎」」」」
と散々に言われ涙目で "しょぼん" としている。
魔術師のローブを羽織り大胆に胸の開いた白いシャツ、男好きのする顔と巨乳を持つ"女魔術師" 。セクシーな腰のクビレをしていて、腰から尻にかけてのラインもソソるものを持っている。そして、美しい水色の髪は腰の辺りまで長さがあり前方の一部に緩いウェーブがかかっている。こんな、どこから見ても男に不自由してなさそうな女魔術師の前には
バイアグラ5箱、手錠×2、ロープ1束、猿轡、アイマスク
「手間を取らせたねぇ、礼を言うよ~」と唇をひと舐めし、その巨乳を左腕で押し上げる様にして胸の谷間を強調させ "ギラギラ" とした肉食獣の目を黒髪の男に向けながら言う。・・・・・・・
(女魔術師以外、皆の心は1つになった。)
『『『『犯る気マンマンじゃねーかッ‼︎ 』』』』と。
ブツを魔法のバッグにしまいつつ小声で『ヨシっ!』と軽く拳を作る女魔術師に、ロックオンされてる黒髪の男は冷や汗をかきガクブル状態だ。そして女魔術師の狩りの気配が強くなり椅子から立ち上がろうしたその時、
「攫って拘束、飲ませて元気!後はベッドで頑張らせ、孕んで目出度く主婦ゲット!」←(川柳風)
の声が聞こえてくる。
まさにこれから『 お誘い』と言う名の " 狩り " のタイミングを失いそのセリフの主に "キッ" とキツイ視線を送る。
視線を送られたのは女剣士。『んっ?』って感じで可愛く小首を傾げて、なるほどと "ポンッ" と手を打つ。
「・・言葉が足りなかった。・・最後に『女魔術師、心の川柳』と付け加えるべきだった・・・」
『そこじゃねえーヨ!』と突っ込みたい気持ちを抑え "ハア〜" とため息を吐く女魔術師。
この女剣士、背は平均的で陸上選手の様にスラリとしたスタイルだ。顔の右側を前髪で隠していて見えている左目は糸目である。紺色の長い髪をポニーテールにしていて、少し侍ガールっぽい雰囲気だ。剣を握らせれば物凄いが、普段は少々天然が入った言葉足らずの女性である。そのせいか、どこか憎めない女剣士を女魔術師と此処にはいない人物はよく面倒をみている。
サバンナで牝ライオン(御歳、28歳)に襲われる心境を脱した黒髪の男は、自分の隣に座るエルフのクウォーターの女の方へ目をやる。
肩くらいまである燻んだ金髪の髪。所々外に寝癖の様に跳びはねていて頂点ではアホ毛が揺れている。自身の活発的な雰囲気が良く似合う可愛いらしい顔と、エルフの血を引く証の少し長い耳。身体はややスレンダーだがエルフ系の人間にしては胸は大きいだろう。日本のオタク達が見れば『最高♡』と言われそうな身体かもしれないが彼女の左腕の二の腕から先は無い。長袖の服の腕部分がだらりと下がっている。本来なら身体の欠陥から鬱屈していそうなものだが、今はクリっとした大きな目がキラキラと黒髪の男にに注がれている。まるで『待て』と主人に言われて尻尾をブンブン振りながらも餌を我慢している犬の様だ。本来ならば可愛いその仕草も服装によってマイナス補正されてしまっている。白のスーツに黒いシャツ、赤いネクタイに額に上げているレイバン風のサングラス。秋葉を歩いていれば『1枚いいですか〜?』とか『目線コッチにお願いしまーす』と言われそうなゴル◯スタイルである。その見た目のギャップと結構真っすぐな性格が『カワイイ』と思っている黒髪の男はブツを魔法の袋から出した
ゴル◯のフィギュア冷や汗ver、レア度☆☆☆☆★(星4つ)である。
ブツを受け取り『フおぉぉ〜』と喜びの奇声を上げながら色々な角度からフィギュアを見て
「アニキ!ありがとう〜凄いうれしいぃ〜・・・さすがはアニキ! デューク◯郷の良さがよく解ってるゼ‼︎」
と"女舎弟 " が兄貴分の黒髪の男に抱きつき、顔をグリグリと擦り付けながら女魔術師の方を見て"ニヤリ" と笑う。 ーーーーー(けっこう黒かった!)
『デューク◯郷の良さって何?『・・・・』が多いところ?』などと考えながらもテーブルに背を向け、向こう側を見ない様にして女舎弟の頭を撫でる黒髪の男。何やら後ろからは、『・・・殺る』『落ち着け!とりあえずコレ(エロ本)でも見て落ち着け!』『・・ステイ、ステイ・・・お手?』という声が聞こえてきたが、もちろんスルーである。
皆も少しは落ちつき席に着き酒を飲みだす。そして会話が始まり誰かが言った話からまた騒ぎが始まる。こんな、いつものバカ騒ぎの中黒髪の男 "アハト " は皆を見ながら笑みを浮かべ『このバカ騒ぎがずっと続けばいいナ』と思いながら酒を頼む。
「向こう側の酒・・・バーボン、ロックでくれ!』
ディザイアシティーの有るセリアム王国と日本との本格的な交易が開始され約3年。セリアム王国側の輸出入品は国に認められた者しか商う事が出来ない。認められた者、すなわち王族や貴族か豪商になってしまうので市民の所までは日本からの交易品が届く種類や量は少ない・・・本来であれば。しかし密輸や強奪、横流しなどで裏ルートでの取り引きも多く、以外に日本の品は出回っているのだ。そんな汚れ仕事をしているアウトローの1人でもある黒髪の男。名を アハト、ノイン−ドリット と言う。
日本人なら少し考えれば解るだろう。ドイツ語の数の言葉を3つ使っているだけだと、そしてその意味も。
アハトは8、ノインは9、ドリットは3,すなわちヤ.ク.ザである。こちらの世界ではマフィアは組織の呼称で個人を指す名称は、アウトローである。どちらかと言えばヤクザよりも "任侠道を歩く者 、極道 " と言った方が解りやすいだろうか?
これは、ごく普通の男が怒りと勢いに任せ人生をドロップアウトし異世界でアウトローとして生きる話である。
お読み頂きありがとうございます。