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21day8

 家の中を進み、塀を乗り越え、フェンスを越えて進んでいく。

「すごく疲れる」

 そう呟いてしまうほど、移動が辛くなる。塀を、フェンスを、乗り越えれば乗り越えるほど背負っている銃が、重く感じていく。だがそれでも。

「ゾンビと遭遇しないだけいいよな」

 ゾンビはドアを開けるだけの知能はないのか、中はゾンビの入っている様子はない。

「けど始めに遭遇したのは……………………あぁ元々中にいたのかな」

 紗枝と初めてあったときのことを思い返すが、考えることに体力を使いたくなく、適当に判断する。どうでもいいことなはずだ。窓を開ける、コンクリート塀から顔だけをだし、隣の建物の様子をうかがう。

「いないかな」

 塀の縁に手をかけ、力を込め体を持ち上げる。縁に足をかけ、更に体を持ち上げる。

「はぁ、疲れた」

 塀の上から隣の家の庭に飛び降りる。

「ふぅ」

 この後は空いている窓か抜けられるところを探すだけなのだが。

「もう居ないよな」

 バールを取り出し、バットを振るかのように窓を割る。

「うらっ」

 ガシャン、と音をたて割れる。その直後に足音。

「えっ」

 やらなければ良かったと言う後悔が襲う。この建物には何かいるのだ。足音は隠すこともなく、こちらに近づいてくる。

「はぁはぁはぁはぁゾンビか」

 たぶんゾンビだろう、銃に手が伸びかける。が止める。

「はぁはぁはぁ、ダメだ銃なんか使ったら」

 音で大量にゾンビが集まってきてしまう、それはわかっていたはず。はずなのに手が伸びてしまう。

「ダメだダメだダメだ」

 更に言えば逃げることもできない、逃げる為には塀を越える必要があり、その時には無防備だ。

「なら」

 足音は正面から聞こえる。

「う"う"っ」

 呻き声だ、ゾンビで確定だ。握っているバール更に強く握る。これでやるしかない。L字のバールの尖っている方を当たるようにする。こっちの方が殺傷能力は高いだろう。

「はぁはぁはぁはぁはぁ」

 息が荒くなる。緊張しているのだ。ドアノブが捻られる、ついに。

「う"う"っ」

「うおぉぉぉっ」

 バールをゾンビの顔面に叩きつける。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も叩きつける。ゾンビが倒れる。それでも叩きつける。叩き続け一息ついたときは、夕日が差し込んでいた。足元にはゾンビの亡骸が。

「はぁはぁはぁはぁもう休もう」

 体はびしゃびしゃで、疲れきっていた。部屋の2階に上がる。2階にはベッドがあった。だから僕は荷物も下ろさず、そのままでベッドに倒れ込み、そのまま眠りについた。

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