16day3
髭を剃り終わり、することがなくなる。食料はあるし、武器もある、それに比較的安全な場所もある。
「することないな」
「それなら戻らない」
「それでもいいか」
やることがないのなら、下手に動き回るより待機していた方が体力の消費をしなくていいからだ。
「戻ろうか」
「うん」
拾ったナイフを手に拠点に戻った。戻ったところですることはない。ベッドに腰掛け、のんびり過ごす。
「パパ何かすることない」
「することね」
寝てればいいのかもしれないが、明日はもっとすることをないだろう。だから今のうちにすることを考えておく。
「することね、すること、すること」
荷物を漁る、トランプなんかを持っていれば暇を潰せるのだが、そんなものはなく生活に必要なものしかない。
「あっガスがない交換しとくか」
ガスボンベが出てきたのでガスコンロを点検するとガスが大分減っており交換する。ヘリウムガスなら声が変わるとかで遊べるかもしれないが、さすがにこのガスでは無理だ。
「あなたこれは」
紗枝はLEDライトを手渡してくる。
「これか」
このライトにラジオがついているのを思い出す。
「ラジオでも聞くか」
手回し充電が可能なので、いつまでも聞くことができるので暇潰しにはもってこいだろう。
「けど電波はいるかな」
「入るんじゃない」
ライトについているアンテナを伸ばし、周波数を合わせる。微かだが音が聞こえる。ボリュームを大きくする。
「生存者のみんな聞いてるかい」
「聞こえた」
「やった」
聞こえてきたのは男の声だった、聞いた覚えはない。
「それじゃあラジオが消えないように交代で回していこうか」
そう言って僕はライトのハンドルをだし、充電のために回す。こうしておかないと、聞いている最中にバッテリーが切れ聞こえなくなってしまうと思ったからだ。
「それじゃあ情報の提供だ、中央の町の安全地帯は」
ラジオではどうやって集めたのか知らないが、各町の安全地帯の情報を伝えていた。
「南の町の安全地帯は」
この辺りの情報になるが、船は安全地帯とは言わなかった。
「そして各地にあるコンテナだが、こいつには近づくなよ、いつも聞いてる生存者は知ってると思うがこいつはゾンビ入りコンテナだ間違って開いちまったら襲われちまうぞ」
「パパ危ないの」
「近づかなきゃ大丈夫だよ」
そう話ながらもラジオが伝える危険地帯では船も含まれていた、だが聞き流す。
「さてと固っ苦しい話はここまで、楽しい音楽の時間だ最初の曲は」
そう言って陽気なポップスが流れる、知らない曲だ、だが聞いていて気分が明るくなる。
「知らない曲だね」
「うん」
曲が終わる。
「さて、次の曲だがラジオネームクラシック大好きさんからで」
また知らない曲だ。
「パパこれって好きな曲聞けるの」
「リクエストすればね」
リクエストも受け付けているようだった。リクエストすることはなかったがラジオから流れる音楽を聴きながら食事をとり、眠りについた。




