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13day1

「よう井上、最近どうしたんだ」

「いえ、何にも」

 先輩に話しかけられる、これは夢だ。

「それにしても飲みに誘っても来ねぇしよ、悩みでもあるのか、相談に乗るぜ」

「いえ、悩んでませんよ」

 先輩も関与しているかもしれないので、先輩に相談するわけにはいかない。なのでそういうしかなかった。

「まぁお前がそう言うならいいけどさ、なあ今日は飲みに行けそうか」

「はいわかりました、けど割り勘ですよ」

「はいはい」

 そう言ってパソコンの電源を止め、仕事を終えた。


「んんっ」

 目を覚ます、昨日激しく動いていたが筋肉痛は出ていないようだ。スマホを見ると7時ちょうどであった。

「はぁ、くそっ」

「あなたどうかしたの」

「いやなんでもない、さてと今日はどうしようか」

 紗枝が起きていて聞かれたようだ、だかあまり話したくない。ここ毎日途切れ途切れではあるが昔の夢を見続けている、あまり気分のいいものではない。それは置いとくとして今日何をして過ごすかを考える。

「食べ物でも探しにいってみる」

「だね」

 食料はまだあるのだが、消費量が増えてしまっている、32日目までギリギリ足りるかもしれないが、あって困る品ではない。

「けどどこで探そうか」

「歩いて探してみようよ」

「そうだね」

 目的地が決まってるならバイクの方がいいが目的もなくうろつくなら音も出にくく、ガソリンも消費しない徒歩の方がいいと思う。そのためにリュックに荷物をまとめていく。

「ん~あれ、あっパパ、ママおはよう」

 菜々美が目を覚ます。

「あれっパパ、ママ、どこか行くの、行っちゃうの」

「ああ食べ物を探しにね」

「行っちゃダメ」

 菜々美が抱きついてくる。

「パパ、菜々美を1人にしないで、ねぇ、お願い」

 菜々美は泣いている、多分僕たちと会う前に1人きりにされていたのでもうされたくないのだろう。

「分かった、けど静かにしなよ」

「うん、分かったよ菜々美静かにしてる」

 本当は置いていきたかったが、仕方ない。

「よしじゃあ荷物まとめて来て」

「うん」

「あなたつれてっていいの」

「まぁ仕方ないよ、そこまで危険なことしなきゃいいんだし」

 ゾンビであれ、人の形ををしたものを撃つ光景はあまり見せたくないのだが、仕方がない。

「うんそうだね」

「パパ用意終わったよ」

 菜々美も荷物をまとめ終える。

「よしじゃあ出掛けようか」

 食料を探すために町へと出ていった。

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