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12day3

「はぁ」

 洗濯物を川で洗う、洗濯機はあたりまえにしても洗濯板やそれこそ洗剤さえないので水洗いだ。洗い方は簡単で川の水につけ、じゃぶじゃふとすすぎ、絞り、きれいな地面に広げておく。それだけだがある程度はきれいになるだろう。

「あなたの分もやりましょうか」

「いや僕がやっとくよ、と言うかあなたってなに」

「井上の奥さんならあなたって呼ぶのが当たり前でしょ、それとも嫌だった」

「まあなんだっていいんだけどさ」

 3人で川縁に並び洗い物をのんびりとやっていく、天気もよく、時おり心地いい風も吹いていて、気持ちのいい日だ。

「ならママ菜々美の分もやってよ」

「ちゃんと自分でやりなさいよ」

「えーならパパ」

「ママの言う通りだから、自分の分は自分でね」

「はーい、パパがそう言うなら」

 菜々美はそう言って自分の洗濯物を洗っていく。彼女についてわかってきたのだが、ママである紗枝の言葉には反抗する傾向があり、パパである僕の言葉には賛同する傾向がある。どうしてかはわからないが、それならば何か大事なことがあれば僕が言えばいいだろう。

「よし洗い終わった」

 僕の分が洗い終わる、大雑把ではあるがそれなりにはきれいになっただろう。

「あなた、終わったよ」

「菜々美も終わった」

「そっかお疲れ」

「あなた、これからどうするの」

「どうするのって乾くまで待つしかないよ」

「なら菜々美川遊びがしたいなぁ」

「まあ…………いいか」

 食料もあるし差し迫った危険はない、1日くらい遊んでも構わないだろう。

「やったぁ、ならパパ早く川に入ろうよ」

 菜々美は無邪気にそういうのだが、それにさえが割り込む。

「パパは疲れてるから、ママがマッサージしてあげる予定なんだけど」

「えーパパは菜々美と遊ぶの」

「パパはママがマッサージしてあげるの」

 2人が喧嘩し出す。なので口を挟もうとしたのだが。

「あなたは黙ってて」

「パパは何も言わなくていいの」

 2人は口を揃えて同じことを言う。

「なら2人で遊んできなよ」

 せっかくならこの機会に仲良くなって欲しいし、ゾンビが現れたときに対応しないといけないので、誰かが監視してないといけない。それになんだかんだ言っても疲れているので1人でボーとしていたいと言うこともある。

「「えー」」

「嫌なら帰るよ」

「あなた、わかったよ」

「はーい」

 そう言うわけで、2人は川に服のまま入っていき遊び始める。それを横目に日向ぼっこをするかのように体を大の字にし横になった。

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