2day4
「この階にはなんもなかったね」
「そうだね、あったのはこれだけか」
受け取った鍵を見る。
「下の階も確認する」
「いや、お昼にしない移動手段も手に入ったかもしれないし」
「うん、手によりをかけて作るよ。井上何が好き」
「自分で作らなくていいなら何でもいい」
「そう、うんわかった」
はしごを使い最上階に戻る。
「それじゃあ、なにか作るね」
「ああ」
紗枝がキッチンへと入っていく、それを横目で見ながら空のリボルバーに弾を込めていく、8丁もあるので時間がかかりそうだ。そうこうしている内にいい香りがしてきた。
「私特製のペペロンチーノよ」
「ありがとう」
それを受けとる。
「そういえば水とかは」
「……忘れてた」
「そう言うと思ったからもう用意してあるよ」
「ありがとう」
「えへへ、撫でて、撫でて」
そう言われ頭を撫でやすい所まで持ってきたので、撫でてやる。
「えヘヘヘヘヘ」
かなり嬉しそうだ。
「えへへヘヘヘヘヘヘヘヘヘ」
ちょっと怖い。それは置いとくとして作ってくれたペペロンチーノを食べる。味はまあ普通だ。
「それでさ、この後地下駐車場見に行こうと思うんだけど」
「えへへヘヘヘヘヘヘヘヘヘへへへへへ、うんわかったよ」
「ついでにこれ渡しとく」
弾を込めたリボルバーを3丁と弾を20発分を渡しておく。
「プレゼントだ、大切にするね」
「いや、うう、うん」
「それじゃあ行こうよ」
「使い方は」
「分かんない」
「なら教えとくけど、後ろの撃鉄を下ろして引き金を引けばいい」
「狙いを定めてだよね」
「そう」
「なら行こうよ」
そう言ってリュックを取りに昨日寝た部屋に向かう。水やら缶詰やらが入っているためにかなり重い。本当は見えている外から確認したかったのだがさすがにこれを背負って走ったりは大変だろうと諦められるほどだ。
「重い」
「軽いけど」
「紗枝はすごいな」
「えへへ誉められた」
部屋から出てエレベーターに向かう。エレベーターのドアのところに挟んだ箱をどけ、乗り込む。地下のボタンを押し銃を構える。
「井上どうして銃なんて」
「先がゾンビだらけかもしれないから警戒して」
「なるほど、さすが井上だね」
そう言って紗枝も銃を構える。エレベーターが下へと進んでいく。