12day1
「はぁ」
「あの井上先輩ここなんですが」
「あっああここはね」
後輩に仕事について尋ねられる。これは夢だ。
「えっとこれは、あれこれ終わってないか」
「はい、尋ねたの3回目だったんですが、あのどうかしました」
上司の裏金作りに気をとられて集中できていない、と本当のことも言えず、お茶を濁す。これは夢だ
「嫌なんでもない、なんでもない、ああそうだ、コーヒーもらってきてくれないか」
「わかりました井上先輩」
そう言って後輩は、コーヒーを取りに立ち上がり離れていく。
「はぁダメだな仕事中は集中しないと」
気合いをいれるためにほほを叩いた。
「パパ、菜々美お腹すいたよ、なにか食べるものない」
少女、いや本人いわく菜々美に揺すり起こされる。いつのまにか眠ってしまっていたようだ。
「んんっ、今用意するから少し待てるかい」
体を伸ばしそう尋ねる。
「うん」
菜々美は元気が良くそう答える。待てるらしいのでパスタを茹でる。
「あれ、紗枝は」
「紗枝、ああっママね、ママならパパのとなりで寝てたよ」
いつのまにか寝ていたベッドを見ると紗枝が寝ている、ふと時間が気になる。この部屋についている小さな窓から外を見る限り、まだ日は昇っていないようだ。
「そっか、で菜々美、いい子にしてた」
「うん菜々美ちゃんとパパが言ったみたいにいい子で待ってたよ」
「パパか何て言ったか覚えてたかい」
「うん、ゾンビに見つからないようにひとりで静かに待ってたよ、けどパパ、パパはどうして菜々美に電話してくれなかったの」
「えっとな、パパの携帯壊れちゃってね新しいのに変えたんだ」
「そうだったんだ」
そう言うことで、菜々美にスマホの番号を教える。
「けどパパ、パパがちゃんと帰ってきてよかったよ」
菜々美は虚ろな目をしてこちらを見ている。
「パパは離さないんだからね、だから私のまえから居なくならないでね」
そう言って菜々美が抱きついてくる。
「えへへ、パパの臭いだぁ」
「菜々美ご飯にしようか、ママを起こしてくれる」
「うん」
菜々美が紗枝を起こしている間に、缶詰を開けパスタに絡める、今日はホールトマトなので、トマトのみだがナポリタン風だ。
「あなたおはよう」
「まだかなり早いけどな、食事にしようか」




