9day3
階段を上る、銃をすべて売ってきたので足どりは軽いが少し気が重たい。だが気持ちに反してすぐにたどり着いた。ドアを開けると少し怒っているかのような態度をとる。
「井上か」
「報酬は」
「報告ぐらいはしてもいいのではないか」
「死人と犬が出た、それくらいだが」
「そちらのバーサーカーは」
「井上と一緒」
「そうか、君達には大変迷惑をかけた、だから報酬を上乗せしよう。当初の予定のガソリンを3倍に、後は乾パンを8つでどうだ」
「それだけかか、あんな部隊があったのに使わず、死地に送り込んで殺そうとしたくせに」
「……………分かった10だな、それ以上は出せない」
「それでいい」
「じゃあな」
そう言われ部屋から出た。ドアを閉める。
「よし、もらえるもの貰って行きますか」
「うん」
そう言って、また下に戻るために歩き始める。もしかしたらもっと報酬を増やせたかもしれないが、これくらいでいいだろう。
「けど井上、急に怒ってたみたいだけどどうしたの」
「いや少し位怒った態度をとれば報酬を増やせないかなって」
「そうなんだ、だからあいつは報酬を増やしたんだね」
「まあ多分、石井もそれくらいは予期してたとは思うけど」
「なら井上、もう少し怒ればよかったんじゃないの」
「あれ以上行けたかもしれないけど、やり過ぎると印象悪くするし、さすがにしないとは思いたいけど、銃が暴発したで撃たれるかもしれないからあれくらいでいいよ」
「暴発ってあいつ井上のこと」
紗枝が怒り出す、なのでなだめつつ。
「そうなるかもってだけで、やらないとは思うよ」
「けど」
「まあまあ」
なだめてやると紗枝は落ち着いていった。
「なら井上、こっちも暴発だって言っちゃえばいいんじゃないの」
「そう言う前に撃たれそうだよ」
そんな話をしつつ、目的地に到着。すぐに引き渡してもらう。そしてまた下に。ガソリンに関しては駐車場らしい。
「それで井上今日はどこまで行くの」
「前に泊まったガソリンスタンド当たりまで行こうか」
「うん」
駐車場までたどり着くと、斎藤と八木、佐渡がバイクのそばにいた。
「おう井上、準備はできてるぞ」
「助かる」
バイクに荷物をつけていく。
「あんた出ていくのか」
「ああ」
「そうか気を付けろよ」
ガソリンを点検、問題なく満タンだ。
「そう言えばどこにいくんだ」
「南の方」
バイクにまたがり、エンジンを始動。
「じゃあな、井上、向こうで会おう」
向こうとはここではなく現実でのことだろう。
「そうだな、じゃあな斎藤、八木、佐藤」
そうしてバイクを走らせ、ホテルを後にした。




