2day3
同じ階のすべての部屋を詮索し終える。見つかったのは弾と食料、それに拳銃だ。
「弾が108発に同じ型のリボルバーが9丁か」
「井上、食事だけど2人なら30日余裕で持つんじゃないかな」
「いや保存とかどうしようもないから缶詰くらいしか運べないんじゃない」
「缶詰だけなら1日1人1つ開けるとして10日分はあるよ」
つまり20個ほど、だがそれだけでは足りないだろうから3日から4日ほどしかない。
「で井上これからどうするの」
「他の部屋も調べる」
「調べるってもう調べたよね」
「はしごで降りる」
そう言ってベランダに出る。そこには足元に金属の蓋が。
「これはしごなんだ」
「うん、開けるのは初めてだけど」
そう言って開ける、そこには下へと続く穴と丸められた金属製のはしごがあった。蓋にかかれてある、手順に従いはしごを用意する。まあそれ事態は簡単に終わるのだが、投げ込んだときに大きな音が。
「下にゾンビいないよな」
投げ下ろした後は少しの間観察する。何も現れるようすはない。
「先に降りる後に降りる」
「井上の好きでいいよ」
「いや好きにってスカートはいてるから先の方がいいかなって思ったんだが」
「別に見られたって」
「気にしてくれよ」
「わかった井上がそういうなら先に降りるよ」
そう言って紗枝は弾の込められたリボルバーを1丁掴むとはしごに。
「っておい、危ないんだから」
「だって井上が気にしろって言ったから」
「いやそう言ったけど」
「だから先に降りるね」
何か言い返す前に降りてしまった。なのでそれについていく。着いていった先には何もない空間が広がっていた。
「なんだこれ」
家具などだけではなく、畳やフローリングもないコンクリート打ちっぱなしの部屋だ。これでは何も見つからないだろう。
「さあ知らない」
「まあそりゃあそうだけど」
「隣の部屋を確認しようよ井上」
「あ、ああ」
そう言って持ち歩いているメダルを投げ込み、何もないかを確認。いないことが確認できると蹴破り開けた。だが次の部屋も同じくコンクリート打ちっぱなしであった。
「なんだろうなここ」
「さあ、興味ないよ」
「興味がないのかよ」
「うん、ってあれ」
紗枝が中に入っていき戻ってくる。
「井上鍵あったよ」
「ありがとう」
その鍵を渡してくる。鍵を見ると見たことがあるマーク。
「井上これ確か車の会社だよね」
「確かそうだったはず」
「下行ってみる」
「ああ、使えるか確認してここを離れよう」
「わかった井上の言う通りにするよ」
「いや言う通りにしなくていいんだが」
「それでどこいくの」
「どこって、どこか行きたいところは」
「井上が行くところならどこへでも」
「…………まあいいや、移動しようか」
何となくだが狂気を感じた。だがそれを気にせず移動を開始した。