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9day1

 陽気な音楽が聞こえる、その音楽に合わせて踊る大勢の人。これは夢だ。

「先輩ここって」

「楽しいだろう井上」

 先輩につれられ、クラブに来ていた。先輩は見知らぬ女と踊っている。これは夢だ。

「けど先輩、いつもおごって貰ってばっかりじゃ」

「えっ何、いっつもおごってんの」

「ああ、そうだぜ、こいつは真面目だから遊び方教えてやってんの」

「なら私も遊び方知らないからおごってほしいなぁ」

 女は媚を売るようにそう言う、すると先輩は得意気に答える。これは夢だ、夢なんだ。

「ああ、いいぜ」

 先輩は得意気に答える、これは夢だ。覚めろ、覚めてくれ。

「何せ上司と手を組んで裏金作ってるんだからな、遊び放題よ。あっこれオフコレで頼むぜ」


 そこでやっと目が覚めた、かなり嫌な夢であった。

「ん、んんっ、いのうえ」

 紗枝はまだ眠っている、当たりを見渡す、ここはホテルの部屋であった。あのラジオ局から帰ってきて、すぐに眠りについていた。だからここはクラブでも何でもない、あれは夢なんだと完璧に理解し、割り切る。

「嫌な夢だった」

 紗枝が目を覚まさないように小声で呟く。枕元においてあるスマホを手に取り時間を確認する。

「まだ3時か」

 もう1度寝れるだろうが、またあの夢の続きを見そうなのでやめておく。

「んんっ…………あれ、いのうえ」

 紗枝の目が半分だけ開かれる。

「ごめん、起こした」

「ううん……………私が勝手に起きただけだよ、井上」

 紗枝はそう言うが、かなり眠そな声だ。

「もう1回寝ても大丈夫だよ」

「ううん、もう起きちゃった」

 紗枝の目がしっかりと開かれる、完璧に起こしてしまったようだ。

「井上、朝早いね」

「ああ、何となく目が覚めて」

「そうなんだ、で井上今日どうするの」

「ひとまず、荷物を片付けようか」

 そう言って銃入りのリュックを見る、あれを食料や弾丸、ガソリンに変えなくてはいけないだろう。

「片付いてるよ、井上」

「いや、売ってこようとかの意味なんだけど」

「そうなんだ、ごめん井上勘違いしてた」

「いや気にしてないよ」

「ありがとう井上、でそれが終わったら」

「ここ離れて、南にでもいってみる」

「井上と2人で」

「嫌なら残るけど」

「ううん、南にいく方がいい」

 ここに居れば必要な物が入手しやすいが、人が大勢いるのが嫌だった。だからガソリンが手に入りそうな今出ていくチャンスなのだろうと思う。それにここにいたら、ラジオ局と同じ目に遭うかもしれない。あれは強制ではなかったが、強制されるかもしれない、それは嫌だった。だから危険だろうが紗枝と2人でいる方がいいだろう。

「なら早くにもつ片付けないとな」

「そうだね井上」

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