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8day6

 斎藤と見覚えのない男が数名入ってくる。その男たち、覆面にヘルメットなので本当に男しかいないかはわからないが、リーダー的人物が声をかけてくる。

「生き残りはお前たちだけか」

「ああ」

「そうか、ならこの中で噛まれているものは」

「いない」

「だが一応確認する」

 そう言って服をめくってくる。

「ないな、次」

 紗枝以外全員が確認される。紗枝に関しては、外に出たあとで確認するらしい。

「外までの道は斎藤についていけ」

「というわけでこっちだ」

 そう言うわけで、斎藤に続いて部屋から出た。

「井上、ちゃんと歩ける、無理なら肩貸すよ」

「大丈夫」

 吐いたりしたので、心配になったためか紗枝はそう聞いてきたが、ふらつくことなく、ちゃんとまっすぐ歩く。

「井上なんかしたのか」

「いや、何もしてない」

「そうか」

「それで本当に安全なのか」

「多分な、戻って45人入って誰も出てこないからって報告したら石井が最精鋭を送ることを決めてそれについて来たんだ、あいつらがそう言うならそうなんだろうよ」

「最精鋭って」

「こういったことの経験者を集めて選別したやつらだ」

「そんなやつらまでいるのか」

「50人ほどな」

 そんな会話をしながら外に向かう、入るときは足音をたてないようにしていたために時間がかかってしまったが、今は気にしなくていいのですぐに外に出れた。

「外だ」

 お昼頃だったのか太陽が眩しい、だがその眩しさが心地よかった。目が慣れると外に多く人がいることに気づく。

「斎藤何人で来たんだ」

「30人と他数十人、多分おこぼれを拾いに来たんだろう」

「そうなのか」

「まあ誰もが生き残るのに必死だからな、安全に物を手に入れたいのは仕方ない」

「それもそうか」

 そんな人だかりの中に、石井が混ざっていた。

「斎藤班こっちに来てくれ」

「はいよ」

 呼ばれたので、石井のもとに向かう。

「斎藤班残り4人到着か、あと1人は」

 石井に近づくとすぐにそう言われるが何も答えない。いや答えたくない、だが八木は答えた。

「死んだ」

「そうか、今日はゆっくりと休んでくれ、報酬は多目にして渡そう」

 それだけですぐに終わった。これで仕事は終了だ、後は戻って休もう。そう思いホテルへの道を歩いていった。

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