6day1
「おう井上、それ終わりそうか」
目の前には制作中の文章。これは夢だ。
「いやまだです、先輩」
「そうか早く終わらせろよ、残業代なんて雀の涙ほどだからな」
「そういう先輩だって終わりそうじゃないですか」
「終わんないけど、上司と一緒に、先方に挨拶あるから終わりなの」
「挨拶って酒も供うなうものでしたっけ」
「そう言うのもあるの、あんま深く考えるな」
「わかりました、と言うか先輩ってそういうの呼ばれるの多いですよね」
「まぁそうだな、んじゃまた明日な」
そう言って先輩が去って、夢から覚める。
いつの間にか、部屋に戻り眠っていたようだ。紗枝は隣に眠っている。そおっとベッドを抜け出し閉じているカーテンを開く、外は雨のようだ。
「んんっいのう」
紗枝が目を覚ましたようだ。
「おはよう紗枝」
「うん、んっ」
紗枝がこちらを見て驚く。
「井上、おはよう」
「おはよう」
「井上何時起きたの」
「今さっき」
「そっそうなんだ、よかった」
「よかったって何が」
「何でもいいの、で井上今日はどうするの」
「今日は中でのんびり過ごそう、雨降ってるみたいだし」
「あっ本当だ」
「まあ弾の補充もしたいし」
「分かったよ井上」
「まあその前に朝御飯もどうしようか」
「それならいいものあるよ」
そう言って紗枝がベッドの下にある、リュックからビスケットを取り出す。それは見覚えがある品だった。
「結局半分しか食べなかったから持ってきちゃった」
「そうだったんだ、まあ食べようか」
そのビスケットの残りを食べ、銃と荷物を持ち、2階に向かった。2階は今日も混んでいた。ホワイトボードに書かれているレートを確認しておく。今日は1缶で弾30分であるらしい、多分電気が使えるようになった為に、生物を保存できるようになったから、缶詰の価値が落ちたのだろう。だが銃の方は変わらず2丁で1缶である。ある部屋の列に並ぶ。紗枝が隣に来て、2人でのんびりと待つ。
「次の方どうぞ」
いつの間にか僕たちの番になっていた。取引の部屋は入り口が机で遮られ、それを挟んで物のやり取りをするようだ。やり取りする相手は男だ。
「今日の取引は」
「これを弾に変えてくれ」
そう言ってAKとそのマガジン、それと缶詰を1つ出す。
「紗枝缶詰も出すけどいいよね」
「うん、構わないよ」
「えっと銃がマガジン付きで1丁に缶詰か、弾は何が必要なんだ」
「これらの弾なんだが」
リボルバーとグロックを見せる。
「357に9か、人気ないからな。まああんたらガソリン運んできたやつらだろう、ならサービスで60発でどうだ」
「それでいい」
「そうか、なら弾の割合は」
「リボルバー40発で頼む」
「なら取引成立だな」
そう言って男は渡した銃を持ち、部屋の奥に進む。少しすると弾を持ってくる。
「ほら弾だ」
「確認しても」
「構わない」
弾を受け取り、数える。数はちゃんと揃っていた。
「それじゃあ取引完了だな」
「ああ」
受け取った、弾をウエストポーチにしまう。
「またのお越しを」
そうしてその場を離れた。
「井上今日はもう」
「終わり、あとはのんびり過ごそうか」
そんな話をしながら、階段を上る。5階まで上ったときに、斎藤に声をかけられる。
「おっ井上、ちょっと来てくれ」
「井上はゆっくり休むんだから」
「まあまあ紗枝落ち着いて、で何かしたのか」
「めんどくさそうな仕事が来そうだ」




