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5day4

 15分ほどバイクで走ると目的のガソリンスタンドが見えてくる。

「井上誰か上にいるよ」

 目的のガソリンスタンドの屋根に誰かが紙を持っているようだった。バイクを止めてよく見ようとするが、なにか書いているようだがそこまでは見えない。

「見えるけど、紙になんか書いてある」

「えっと、024178だって」

「ありがとう、よく見えるね」

「えへへ、すごいでしょ」

 せっかく紗枝が見てくれたんだから、スマホを取りだしその番号にかけてみる。ワンコールもしない内に相手が出た。

「やっと来たか、お前が救助隊か」

「ああ、けどなんだか余裕そうなんだが」

「まあ、ああでも言わないとあいつらのんびりとしか来ないからな」

「……………それで何がして欲しいんだ」

「それなんだが、ここに上るために立て掛けたはしごを戻して欲しい」

「そうか」

 それだけを話し電話を切り、バイクのエンジンも止める。

「井上何をすればいいの」

「はしごを立て掛ければいいらしいけど、まずは偵察してみよう」

「うん」

 武器だけを持ち、ガソリンスタンドに近づいていく。

「井上呻き声が酷いね」

「そうだね」

 ゾンビの呻き声がこれまで聞いたことないくらい大きく聞こえてくる。

「あれって」

「ゾンビだよね」

 30から40は居るだろうか、それらがうろついていた。即座にまた電話をかける。

「おい」

「しかたねえだろう、ここまで来るのに逃げ惑いなが、銃撃ちまくりながら来てたんだから」

「弾は」

「あったら自力で逃げてるよ」

「井上あそこにはしごがあるよ」

 紗枝が指差したはしごは、ゾンビがうろつく中央に倒れていた。

「鍵投げろ」

「おい助けに来たんじゃないのかよ」

「いやお宝を取りに来た」

「まあそれでもいいんだけど、お前ら運転できるのかよ」

 大型タンクローリーを運転できる自信はない、どこかにぶつけてしまいそうだ。紗枝も多分無理だろう。

「俺は運転できるぜ、どうだ助けたくなってきただろう」

 と言うか助けるしかなさそうだ。電話を切る。紗枝との作戦会議だ。

「でどうしようか」

「はしごを立てるだけなら、囮使えばいいんじゃないかな」

「けどはしごを立てる時の音に反応されたら危なくないか」

「はしごおっきいしね」

「全滅させるにしてもあの数じゃ」

「数なら少なくないから大丈夫じゃない」

「弾は有限だから節約しておきたい」

「ならどうするの」

 考える。だが考えても1つしか思い付かなかった。

「紗枝バイクの運転は」

「原付きはできたからできるよ」

「ならバイクのエンジンをふかしてゾンビを引き付けてくれ、後危なくなったら逃げてくれ」

「それなら井上は」

「僕ははしごを立てる」

「それなら脱出できないじゃない」

「タンクローリーに乗って逃げるさ」

「そんな、そんな危ないこと井上にさせられないよ」

「なら、あの重そうなはしご立てられるのかよ」

「立てられるよ」

 どう見ても紗枝には立てられそうにはなかった。

「…そうか、ならバイクを頼む」

「それは」

「頼む」

「わかっ、た、でも井上ちゃんと帰ってきてね」

「うん」

「絶対だよ、絶対帰ってきてね」

 そう言って紗枝はバイクに向かう。紗枝がバイクのエンジンをかけたら作戦開始だ。

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