5day3
「一応武器も渡しておこうと思うから2階に寄っていってくれ」
それと向かう場所を教えられ、その場を後にする。場所はガソリンスタンドのようだ。
「井上危なくないの」
「危ないけど助けてもらったんだから、それくらいの礼はしないと」
「井上がそう言うならいいんだけど」
「それで2階は何があるんだ」
「分かんない、ずっと井上についてたから。けど武器を持ってた人が大勢うろついてたよ」
「そっか」
階段を降りていくと少しずつだが騒がしくなる。人が大勢いるようだ。
「ここが2階だね」
「そうだけど、なんだここ」
大勢の人が各部屋の前に並んでいる、何か取引をしている様だ。その脇をすり抜けるかのように、何かが書かれた移動式ホワイトボードを動かしている人がいる。そのホワイトボードには『弾30発=缶詰1つ、銃2丁=缶詰1つ、その他に品も何でも取引します』との文字が。
「取引までしてるのか」
「バーサーカーがいるってことは、あんたが井上か」
見知らぬ男が声をかけてくる。
「そうだけど」
「ならこっちだ」
男に手招きされる。それに着いていくと端の方の部屋に案内される。
「石井から聞いてるぜ、斎藤救助のための武器だろう」
「ああ」
「ならこいつだな」
そう言って部屋の中からMP5と呼ばれる、サブマシンガンを1丁とマガジン5本を取り出す。
「渡すように言われたのはこれだけだな、他に必要なものがあるならここで取引してやるが」
「必要ないかな」
「そうかい、まぁ頑張れよ。あっ、後あんたのバイクだけど1階にあるからな」
と言うわけで装備を受け取り、1階に向かう。1階は戦場であった。
「防衛拠点は」
「異常なし」
「今日は大変だぞ、お宝がくるんだからな。1匹もうち漏らすなよ」
騒がしく動き回る、人のなかにバイクを見つける。なので近づくと気付かれる。
「よう、あんたらが救助隊か」
「そうだが」
「お宝をちゃんと運んでこいよ」
「分かってるよ」
「その代わりといっちゃなんだが、お宝さえ持ってこれたら、いくらでもゾンビつれてきてもどうにかしてやる。まあ逆なら見捨てるが」
「そうか」
激励のようなものを受け、バイクに跨がる。AKもMP5も紗枝に持って貰い、アクセルを回し、ホテルを後にする。
「井上それでとうするの」
「様子を確認してから銃撃って逃げる、紗枝はそっちのちっこいの撃ってくれ」
「うん、分かった、おっきい方は井上に渡せばいいんだよね」
「ああ」
囲まれているらしいのだ、逃げることに重点をおいておきながら作戦をたてる。そのまま全速力で目的のガソリンスタンドに進んでいった。




