4day3
バイクの元に特に問題なくたどり着く、ゾンビがいるとは知らなければ歌でも歌えるくらい問題がなかった。バイクに荷物を積んでいく。そのついでにバイクの方に積んである缶詰を取り出す。
「2個しかないや」
蟹缶だけであった。やはり主食となるものが欲しくなりはしたが、腹は少し満たされた。
「井上天気いいね」
「ああぁ~」
答えようとしたらあくびが出る、それくらい陽気な天気であった。
「井上眠いの」
「いや今は食料だ」
空になった缶を投げ捨て、バイクにまたがる。紗枝も乗ったのを確認して、エンジンをかけ、デパートを後にした。
30分ほど移動する地図上では半分ほど来たぐらいな感じだ。本当ならもう着いてもいいのだか理由があった。
「ここにも死体あるね」
「ああ」
スーパーに近付くにつれ死体が増えてきている、しかもスーパーの方向に背を向けて。だから死体がある度に荷物を漁るのだが、スマホと弾が入っていない拳銃が見つかるだけだ。またそれらの死体だがデパートにあった死体と違いゾンビ化することはなかった。
「紗枝はすごいね」
「ん、どうしたの井上急にそんなこと言うなんて」
「いや」
あまり見ていて気持ちのいいものではない死体を多く見せられて、気分が悪くなりつつあるのに、紗枝はけろっとしている。
「気持ち悪くなったりしないの」
「ううん、何であれ井上以外は全部一緒だから」
「そう」
「けど井上、気持ち悪いの」
「ああ」
「なら休もうよ井上」
「いや早く行こう」
「井上がそういうならいいけど、無理しないでね」
空はきれいであるが、気分はどんどんと悪くなっていく。だがバイクはお構いなしに運転した通りに進み目的地であるスーパーが見えてくる。
「井上あれ」
近付くとだんだんと詳細がわかるようになる。そのスーパーは1階建ての出入口の面がすべてガラス張りになっている普通のスーパーだった。そのガラスがすべて割られていることを除けばではあるが。
「酷いね」
「うん酷い」
ゾンビがいることを恐れ、少し離れたところに止め、鍵を抜く。荷物は銃とLEDライト、スマホを何個か入れたリュックだけにしておく。
「井上あんなところに食べ物あるかな」
「行かなきゃ分かんないし、それにここまで来たなら行かなきゃ、ここまで来るのに使ったガソリンがもったいないよ」
「うん、そうだよね」
スーパーに向け歩き始めた。




