3day5
「それで井上どうしよう」
「まず灯りだな」
リュックからライトを取り出す、明かりをつける。すぐに銃を突きつけていた男が見つかる。
「ライトを持ち歩いてるのか」
「普通持ち歩かないか」
「ここに籠っていたからな、必要なかった。だから灯りを探すのを手伝ってくれ」
「銃で脅されていたのに手を貸すとも」
「わかってる、好きなものを持っていって構わない。さすがに限度を超えたら」
「それはわかってる」
「おい」
「ああ」
紗枝と男二人とともに静かに移動する、どれくらいの音でゾンビに襲われるかが分からないためだ。
「そう言えばここにカセットコンロなんかは」
「あるぜ、あんたらはそれを取りに来たのか」
「ああ」
「ならカセットコンロ1台とガスボンベ3本でどうだ」
「わかった、後彼女に服を」
「そっちは構わない、ここには女はいないからな」
「井上私のために服なんて」
「いいから動きやすい服に着替え」
「うんわかった、井上がそういうなら」
「けどその前に灯りだけどね」
「分かってるよ、井上好みの服に着替えるから楽しみにしててね」
そんな会話をかなりの小声で行う。少し気は紛れるが恐怖がなくなることはない。
「止まってくれ、確かここだ」
そう言われ照らす。
「あった、ほらよ」
カセットコンロを箱ごと渡される、重いため中身が空ではなさそうだ。だが後で中身を確認しておくことにしてリュックに積める。ギリギリではあるが入った。
「それでランタンは」
「リーダー確かここにあったはずだ」
そう言われ、そこを照らすとすぐに見つかる。しかも大量に。それのひとつを開ける。
「なああんたライターとかもってないか」
「持ってないな、けど箱に入ってるぞ」
100円ライターのようなものが入っている。それを使い、ランタンに火を灯し、明かりをつける。その灯りを使い他のもつけていく。
「明るくなったな」
「そうだな」
「後はここから出るだけか」
「出ていくのかもうそろそろ夜になるのに」
「もう夜か」
スマホを見ると、もう18時ほどになっていた。
「井上どうするの」
「今日はここで1泊だな」
シュラフは置いてきてないが、ここは布が多いからなんとかなるだろう。
「ここで休むのは構わないが食事は提供できないぞ」
「それくらいは用意してある」
「ならいい」
そう言って、早速もらったカセットコンロを使い、温めた缶詰を食べる。ただ温めただけなのだがかなり美味しく感じる。そしてそれを食べ、交代で警戒することにして体を休めた。




