登場人物&世界観紹介:第12章&第13章
第12章と第13章に登場した、登場人物達や舞台設定の紹介です。
【第12章・主な登場人物】
<ストロス>
エクネイス生まれの魔導士。
戦闘を得意とする魔導士ではなく、哨戒任務にあたるタイプだが、その把握能力を活かしてキャルと手を結び、エクネイス防衛戦で遊撃手として駆ける彼女をナビゲートする役目を担った。彼のサポートを得たキャルが八面六臂の活躍を見せたことからも、相性のいいパートナーだったということだろう。
下記のサピュラーグに捕捉され、撃墜されて生死が危ぶまれたが、重症を負いつつも師匠に助けられて一命は取り留めた模様。
<獣魔シェラゴ>
エクネイスを襲撃した魔物達の指揮官格。魔王マーディス存命の時代から、アーヴェルに仕える古株の魔物の一体である。老人のような小さな体だが、紫色の肌と手足を持ち合わせ、ふさふさの体毛で胴体を包んだコウモリ人間と形容できそうな風貌。
魔物達の空軍を指揮し、自らは身を隠して魔物達の統率を計る、ある意味では司令塔を失いにくい戦い方を堅実に遂行する。個としての戦闘能力も非常に高く、素早く空を舞って敵の攻撃を回避し、水と土の強力な魔法を放つ。
<サピュラーグ>
エクネイスを襲撃した魔物達の指揮官格。
元はスフィンクスという魔物だったのだが、テネメールの村のはずれで、ユースという人間に敗れた悔しさから、アーヴェルに我が身を改良する施術を乞い、ワーグリフォンという名の魔物に生まれ変わった。獅子の下半身、人間の上半身という点はスフィンクスであった頃と変わらないが、獅子の背中に鷲の翼を持ち、人の口がくちばしに変わったこと、武器が錫杖から槍に変わったことが外観の変化として大きい。体全体も心なしか一回り大きくなっており、魔力も向上され、スフィンクスであった時より強力な魔法を扱える。
実はワーグリフォンに成長し、エクネイス侵略軍の将を任されるにあたって、アーヴェルからサピュラーグという名を与えられていたのだが、当人の中ですらその名が定着する前にユースに打ち倒されてしまったので、名乗る機会に恵まれなかった。
【第12章・舞台設定】
<エクネイス>
エレム王国の南に位置する小国。ちょうどエレムの王都とコズニック山脈に挟まれる位置取りに位置する。エレム王国とは古くからの同盟国家であり、騎士団の庇護をいつでも授かれる立場にある。国家としての武力もそこそこ高いため、騎士団と手を結んで発揮する防衛力は相当なものとなる。魔王マーディスが居を構える総本山、コズニック山脈に最も近い国家ながら永らえてきたことが、それを証明しているといえよう。
コズニック山脈の鉱山の数々を管轄する国家であったため、山脈に魔王が現れたことによって、最も窮屈な想いを強いられた国の一つ。しかし国の基盤がしっかりしており、過去ほど鉱脈に頼れなくなっても、底力で国を回してきた体力のある国家である。南西に位置する、マールの郷などのリゾート地を作り上げた背景からも、民や来訪者に優しい良き国であると言えよう。
【第13章・主な登場人物】
<法騎士エミュー>
エレム王国騎士団第11大隊の指揮官。薙刀を得物として戦う歴戦の強者であり、ラエルカン市街戦においてはユースやアルミナが合流した部隊の長として、強く友軍を導いていた。
かつて現役であった頃の法騎士ナトームの側近だった男であり、師の厳格さを引き継いだ上に彼自身の気性の荒さも加わって、騎士団内でも怖い騎士様であると有名。同門の後輩である法騎士カリウスや法騎士タムサートは独り立ちしていったが、戦陣を退いたナトームが率いていた第11大隊の指揮官を受け継いだことに誇りを持つ、気高い騎士の一人である。
<ケルガー>
エレム王国騎士団と共に戦う傭兵。青竜刀を得物に、ラエルカンを乗っ取った屈強な魔物達に立ち向かう。
10年以上傭兵業を営んでいただけあり、騎士を含めた若い衆を鼓舞しながら、強敵を撃破していくだけの実力と判断力を兼ね備えている。ユースやアルミナと共闘することが多かったが、彼と並んで戦えていたことは、二人にとっても心強いことであった。
【第13章・舞台設定】
<ラエルカン北西門>
皇国首都の玄関口の中で、シリカ達を含む部隊が突破した門である。
高い防壁と堅固な門を併せ持ち、高所から敵軍を狙撃するに適した構成は、首都に侵入しようとする者にとって厄介なもの。ラエルカンを奪い取った魔物達もそのアドバンテージを活かし、空を舞う魔物や魔法を得意とする魔物で高所を固め、地上を屈強な魔物達で分厚く固めていた。
<ラエルカン魔導研究所>
かつてはラエルカンで魔法の研究を進めていた権威ある施設であり、"渦巻く血潮"を実現させてた場所でもある。一度目のラエルカンの崩落により瓦礫の山と化していたが、復興後は再建され、渦巻く血潮に関する研究以外はかつてと同じように、魔法学の研究を進める施設として蘇っていた模様。
生まれる前の子供に渦巻く血潮の技術を施していた場所でもあるため、ガンマやアジダハーカ、アズネオンが生まれた始まりの場所であるとも言える。研究所裏には、渦巻く血潮の被験者達の墓地が広がっており、ラエルカン戦役においてはそこがガンマとアジダハーカが最後の戦いを繰り広げる舞台になった。
<エルアの石碑>
かつて魔王から奪還され、復興したラエルカンに作られた大きなオパールの石碑。今後のラエルカンの永遠の平和を祈った賢者ルーネが作ったものであり、その案を彼女に授けたのが賢者エルアーティだった。親友の言葉をきっかけに石碑を作り上げたルーネが、その石碑に発案者である親友の愛称を付けたという経緯を持つ。
ラエルカン戦役では、マグニスとカティロスの戦いを見守っていた
石碑であるが、特筆すべきは魔王軍にラエルカンを乗っ取られてなお、その石碑が倒れず残っていたことだろう。崩れずマグニスの勝利を最後まで見届けた石碑の存在そのものが、例え一度魔物達に屈指ようとも、平和を取り戻す力が人類にあると暗示する事象であったようにも思える。
【第13章・魔物図鑑】
<竜戦士属・ドラグナー>
金色の鱗の上に鎧を着込んだ竜人のような魔物であり、リザードマンやドラゴンナイトといった魔物達の最上位種。
練達の剣士のような精密な剣捌きを当然のようにこなすが、戦う竜の肉体が持つ爪や牙も、人類に対しては充分に死に至らしめられる武器であり、それらを人間離れしたパワーとスピードで繰り出す難敵。また、金色の鱗は非常に頑丈であり、生半可な威力の刃や衝撃には耐えられてしまうため、不覚を取っても当たり所がよければ生存できる、生まれつきの防御力も兼ね備えている。生命力そのものも凄まじく、顎下から脳天まで頭を剣で貫かれても生存し、なおも戦い続けるほどのものであった。
ラエルカン野外戦では屈強なる魔物達を束ねる指揮官を務めていたが、視野や判断力に富む知性を持つことも併せ、それだけの資格を充分に持つ存在である。
<魔術師属・リッチ>
白骨の全身をローブで包んだ、魔物達の魔法使いの中でも非常に有力なもの。
ジェスターやダークメイジの上位種にあたるが、風貌は変化はなおも大きい。刺々しい錫杖を持っている種が多い。屍人であるせいで、恐怖や焦燥という概念を削ぎ落とされているのか、何が起こっても不動である精神力を持ち、それが大魔導士にも比肩する強力な魔法を容易に叶えさせる。屍人よろしく、肉体の一部を砕いても核を粉砕されない限りは死なない上、骨だけの肉体の割には力も強い。数々の魔物を率いる指揮官として君臨し、配下を操って敵軍に生じた隙へ、強大な魔法を撃ち込んで一気に壊滅させる戦い方を得意とする。




