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1-7

 ウルトスが姿を見せたのは作戦前日だった。

 アーニアは、会合にはほとんど常にいちばん乗りなのだが、その日はさらに先にディスタと、それともうひとり、短めの、鮮やかな赤い髪をしたかっこいい女性がそこにいるのを見た。

 アーニアが部屋に入ったとき、自然に投げかけられた鋭い視線はまさに経験を積んだ戦士のもので、彼女がウルトスにちがいなかった。

「ああ、アーニア、紹介しよう。彼女がウルトスさんだ。今回の作戦のために特に来てもらった。その名声は君もすでに知っているだろう」

「名声というほどのものではないよ、ディスタ」とウルトスは、立ち上がってアーニアに握手を求める。

「ウルトス・サテイラだ。よろしく」

 アーニアは近づいていって、握手を受ける。

「はじめまして。アーニア・デジメルです。よろしくお願いします」

 握手は柔らかかったが、熟練の剣士の手のひらだと思ってみれば、いかにもそんな感じがした。その温かい手に握られて、アーニアはちょっときゅっとなったのが、自分でもわかった。

「デジメルさんのところのお嬢さんか。評判は聞いている。こんなに可愛らしいとは思わなかったけど。初陣だそうだけど、事前の打ち合わせどおりやりつつ、状況によっては臨機応変の対応が必要だ。ま、あまり固くならないのが大事だよ」

 と言ってウルトスは、にこっと小さく笑った。

「お、ほかのメンバーもおでましのようだ」

 テテロサは部屋に入ると、ウルトスの姿を認めて感激し、いっしょに仕事が出来て光栄です、と言い、また次にやってきたニッケスもやはりウルトスに会えてうれしいと言った。

 ウルトスは、戦士たちの憧れを集める一流の人物だ、ということがアーニアにも実感としてわかった。

 少し遅れてオルゴが到着し、ここに今回の作戦の全員がはじめて顔を会わせることになった。

「さて、明日はいよいよ作戦の決行日だ。報告によると、予定通り〈集会〉は行われるらしい。また、特に新しい情報も入ってきていない。したがって、われわれの作戦も事前の計画どおり行う」

 ディスタは一息ついて、まわりを見渡す。

「ウルトスも来てくれた。彼女には、先ほど私から作戦についてだいたいのところを伝えておいたし、本日は作戦の全容について、あらためて最後の確認をしておくことにしよう」

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