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幸福!幸福なのか?



「あたしをお嫁さんにしてくれることだよ!」


前回のあらすじ、上記の通り。俺はいつの間にか婚約していたらしい。ああ、祝福の鐘がなる。晴れて俺も人生のゴールインを迎える……


「諄君っ!!」


何だ?何で息ができないんだ?俺の目の前にデビルがいる。……って!


「ちょっ………まって‥…息が……あっ」


さすがに危険と感じたのか寧々は手を放してくれた。


「がぁっ、はぁっああっはぁっはぁっはぁっはぁっ………死ぬかと思った」


「どういうことなの?」


今の俺の状況。横にデビル(寧々)前に飯倉さん、周りはクラスメートが全員こちらを見て驚いている。てゆうか寧々の後ろに何かいる。スタ○ドか!?


「現実逃避してないで答えなさい」


「すいません。俺にも何が何だかさっぱり……」


「ウソじゃない?」


マジ怖ぇ。マジ怖ぇぇっ!!


「あ、あの」


「何っ!!?」


「ひっ!」


デビル(寧々)め、なんて眼光だ。飯倉さんがビビってるじゃないか。


「あなた、清水さんでしたっけ?諄ちゃんの彼女さんですよね?」


途端に寧々の声のトーンが上がる。


「そうよ!私が諄君の彼女よ!それが何かっ!?」


ウソつけ!なんて言えない弱気な俺。


「やっぱり……。でも、あたし負けませんから!あなたから諄ちゃんを奪ってみせます」


「上等じゃない!受けて立つわ」


一言だけ言わせていただきます。何でこうなった?

一つだけ願わせていただきます。誰か助けて(泣)










その後、学校は俺たちの噂でもちきりになった。結局あの後、飯も食えず、俺は男たちに追われる身となった。理由は簡単。ただでさえ、寧々という美少女に好かれている俺にまた美少女が告白してくるというモテない男たちにとって羨ましく、そして憎たらしいことが起きたのだ。殺意が芽生えたのだ。主に寧々に振られたヤツが多かった。腹減った。当の本人たちは、火花を散らしながら、学食へ行き何やら独り言をブツブツ言っていたらしい。


そして放課後。俺は教室で机にふせていた。



「ああ、やっと地獄から解放されるぜ…」

「おつかれ。大変だったな」


渉が慰めの言葉をかけてくれる。


「何でこうなったんだろう?」


「さぁな。いずれにしてもまだ問題は解決してないぞ?」


そうだった。俺は飯倉さんと寧々のことで何もしていない。あの後、男たちの逆襲から逃げまくっただけだ。


「とりあえず、俺と飯倉さんがどんな関係だったか聞かないとな」


「だな。はやく解決しないとお前の命も危ういぞ」


実は中学時代、寧々に告白して振られたヤツが勝手に俺(諄)には他に好きな人がいるから諦めなよ的な催促をしたせいで、俺は寧々に口にするのも恐ろしい拷問を受けた。こういう問題は早く解決しないとマジで俺は寧々に殺されかねないのだ。


「まぁ、頑張れ」


「サンキュー。そういえば輝は?」


「目に涙を溜めて帰った。青春の男の悲しみを体中に漂わせて」


輝はまたひとつ、恋愛の黒星を増やしたらしい。


「じゃあ俺は飯倉さんと話をしてくるわ」


「おう、また明日な」


渉は一年にしてバスケ部のエース。今日も部活があるらしい。渉は教室から出て行った。


「さて、その飯倉さんはっと?」


いた。てゆうか目の前に。


「あの、いつからいらっしゃったのですか?」


「諄ちゃんがさっきの友達と離れた時からだよ」


「さ、さようですか……」


全く気がつかなかったぜ。こいつ、できる!?


なんてアホなこと考えてないで俺との関係を聞かないと。


「ね、ねぇ飯倉さん?俺t「咲って言って!!」はぇ?」


え?今なんて?SAKITTEITTE?オウ、アイムソーリー。ワタシいんぐりっしゅハハナセナイネ。


「あたしのこと名前で呼んでって言ったの!」


何だって?いきなり名前で呼んでだって?……まさか新手のセクハラ詐欺か!?呼んだ瞬間セクハラ扱いされて慰謝料を請求されるのか!?


「呼んでくれないの[ウルッ]」


「呼びます!呼びます!」


「よかった[ニコ]」


ほっ、よかった。………じゃなくて!!


「あのさ、さっきのことなんだけど…」


「お嫁さんのこと?」


「そう。正直に言わせてもらうと俺、飯倉s「咲っ!!」………さ、咲との関係とかそういうこと全然覚えてないんだ」


「うん、わかってるよ?」


「だから…えっ?」


「諄ちゃんがあたしのこと覚えてないことくらい、予想の範囲内だって」


「ええっ!?でも昼は覚えてないって言ったら泣きそうになってたじゃん?あれは?」


「あれ、ウソ(笑)諄ちゃんの困った顔が見たかったから」


「………………」


何が何だか全くついていけないよ。でも、一言だけ。今のこの子のヤバいくらい可愛い!!ヤバカワっ!!こんな女の子がお嫁さんに来てくれるなら、このまま流されてもいいや~…………………………はっ!!いかんいかん。


「じゃなくて!!俺と咲が同じ幼稚園でその時子供によくあるお遊び婚約をしちゃったのはわかったけど、それを律儀に守る必要はないでしょ?てゆうか、普通守らないものでは?そもそもこういうことはお互いの気持ちが大事だと思うんだよ」


「あたしは諄ちゃんのこと本気で好きだよ。それこそ結婚したいくらい」


「…………マジで?で、でも俺たち、小さいころを抜いたらほとんど初対面だよね?好きになる理由が……」


「そ、それは……一目惚れよ!!一目惚れ!!たまたま幼稚園が一緒だった男の子に久しぶりに会って一目惚れしちゃったの!!」


「……………何か怪しい」


「怪しくない!!その証拠に」


チュッ


「!!!!!!!!!!?????????」


「本当に好きだから[ニコッ]」






これは幸福なのか?ほとんど初対面のヤバカワ女の子に唇を奪われてしまいました。






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