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俺の学校生活見ます?



寧々と一緒に校門をくぐり、寧々と一緒に靴箱で履き替え、寧々と一緒に教室に……って!!いい加減勘弁して!!


「あの~寧々さん?教室にも入ったし、そろそろ手を離してくれませんかね?」


「ダメ!!さっき逃げようとしたから、こうやって捕まえておかないと」


そう、俺と寧々はずっと手を繋いだまま教室まで来たのだ。その寧々の俺の手を握る力が尋常じゃないので俺の手が紫色に変色しているのは言うまでもない。


「頼むって!もう手が、手が~!」


「逃げない?」


「逃げない!もう逃げないからっ!!」


そう言うと寧々はやっと手を離してくれた。


「じぃーーーーーーーーーーーーーーーー」


視線が痛い。教室の皆さんのではなく寧々の。


「な、何ですか?」


「諄君が逃げないか見張っているの」


言葉が出なかった。でも涙は出た。誰か助けて(T_T)


「どうしたの諄君。なんで泣いてるの?」


「アハハ……寧々が僕のこと好きでいてくれて悲しいからだよ」


「もうっ諄君ったら。照れ屋さんだね」


……………とりあえず自分の席に座る。すると二人の男子が俺のところに来た。


「よっ諄!今日もおつかれ!」


こいつは渡部輝わたべあきら。高校から知り合った友達。なかなか気の合う奴だ。


「相変わらずの登校だな諄」


こいつは西口渉にしぐちわたる。中学からの友達。そして巨人。高一で身長が196センチもあるバケモノだ。バレーボール部で活躍中。


「ホント、毎朝たまらないよ……」


「贅沢なやつだな。毎日あんなに可愛い女の子に迫られて何も感じないのか?」


「輝。高校からの付き合いのお前にはあの女の凄まじさは分からんだろうな」


「ありがとう渉。理解者がいてくれるのがこんなにありがたいものだと教えてくれて」


俺は学校では大抵この二人と一緒にいる。喧嘩も無く、本当に良い友達を持ったと思っている。


「オーッス。じゃHRはじめんぞ~」

中年男もとい担任が教室に入って来てクラスメートたちが席に座りだす。


俺の学校生活はいつもこうして始まる。










昼休み


「うおおおぉぉぉぉ!!!!!」


チャイムが鳴り終わり、号令と同時に学食にダッシュ!理由は注文のために行列に並ぶのが嫌だからというわけではなくて、ヤツから逃げるためだ。


メキッ


何の音かって?答えはカンタン!俺の手がヤツに掴まれた音だよ。


「どこに行くの?諄君?」


「が、学食だよ?それより手、手を離してくださいませんか?」


「普通行くなら私と一緒にだよね?」


「な、何が普通だ!」


メリメリッ!


「ぐあっ!すいませんでした!お供させてください!」

「うんっ!」


くっ、いつもいつもなんて握力してやがる。まるでゴリラ並だ。こいつはホントに女か?


「じゃあな~諄」


「すまんな諄」


輝、渉、せめて助ける素振りぐらい見せて。




学食


端から見たら手を繋いでいるラブラブカップル。だがよく見て欲しい。俺の手は紫。


「諄君は何食べるの?」


「そうだな~。今日は中華かな?」


「じゃあ私も中華!」


ラーメンの入った皿を持って空いている席に座る。寧々は俺の隣に座る。


「………あの、いつも聞くけどなんd」


「少しでも諄君の近くに居たいから!!」


「………はい…」


「じゃ、はい、あ~ん」


寧々は自分のラーメンを俺に向けてくる。


「いや、自分の食べるから」


「一緒だからいいでしょ?あ~ん」


「………………」


「あ~ん」


「はぁ……あ、あ~ん」


ズルズルズルズル


「おいしい?」


「いつもの学食のラーメンだな」


「もぉ~。そこは『寧々が食べさせてくれたものなら何でもおいしいよ』って言わなきゃダメでしょ?」


「さぁ!速く食べないと緬が伸びちゃうな!」


「………………………もうっ。諄君の意地悪」


何とか回避できたな。危なかった。









放課後


「うおおおぉぉぉぉ!!!!!!!!」


チャイムが鳴って号令と(中略)今度こそヤツから逃げてやるぜ!


メキッ


「諄君?どこに行くの?」


「すいませんでした。一緒に帰らさせてください」


「うんっ!」


クソッ!何故いつも捕まるんだ!


「じゃあな~諄」


「すまんな諄」


さようなら僕の友達。




こうして俺の学校生活は終わる。






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