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どうも、はじめまして

どうも、足利灯尊です。他の小説が行き詰まったので時間潰しに書いたものですが楽しんで頂けると嬉しいです。



時刻は午前6時。今、俺はベッドで身構えていた。何故かって?そろそろあいつが来るからだよ。


ガチャッ!


来たっ!!


「おはよ~!諄君起きてる?起きてなかったら恋人のキスで起こしてあげる~!!」


そう、俺が身構えていた理由、それはこの危ない幼馴染から己の身を守るためなのだ。


「せいっ!」


とっさに枕をヤツの顔面に投げつける。


「きゃあっ」


枕は見事に命中し、ヤツの動きを止めることに成功した。


「うぅ~。ひどいよ諄君…」


「朝から不埒な行為をしようとする奴に言われたくないよ」


毎朝同じ会話。自分でもよく飽きないなと思う。ま、飽きた時点で俺の唇はヤツに奪われてしまうんだけどな。


「諄君ったら、照れちゃって~。そんなところも大好きだよっ」


「はいはい。朝飯は?」


「む~。そこは『俺も寧々が大好きだよ』って返さないといけないのよ!ほらほら!!」


「飯は?」


「……………できてます」


「ありがとな」


「はあぁぁん。諄君が『ありがとな』って。私に!笑顔で『ありがとな』だって!あぁ……気絶しそう………」


なにやらブツブツ独り言を言い出したヤツを置いて俺は部屋を出た。


はじめまして皆さん、俺の名前は河東諄かとうしゅん。現在高校一年生。帰宅部!

以上!!









すいません。自己紹介すぐに終わるようなしょぼい人間で。

と、そんなことを嘆いていたらヤツが来た。


「諄君!!ひどいよ!勝手にいなくなって。私を置いていくなんて!!」


「いや、朝飯食うために部屋から出ただけっおうっ!」


「置いていかないでよ~グスッ」


朝からナイスなタックルをしてきたコイツは清水寧々(しみずねね)。俺の幼馴染で、現在俺の恋人……ではない。本人が勝手に言っているだけである。


「わかった、わかったから」


「もう置いていかない?」


「うっ…」


涙目&上目づかいで迫ってくるな。これだけは何度やられても慣れない。


「善処します……」


「ダメ!誤魔化さないで!」


「あ~!分かりました!」


「ふふっ。じゃあ朝ご飯にしよっか」


何なんだ、こいつは。さっきは泣き顔だったのにもう笑顔に戻ってる。


「で、清水さん?これは何?」


俺は並べられている朝食を見て固まる。


「『清水さん』じゃないでしょ!!」


声を張り上げ、鬼のような目で手には包丁。俺は従うしかなかった。


「ね、寧々。……これは何?」


「これ?これは私が作った牛丼だよ」


「朝から牛丼?そして何故牛丼?」


「諄君には私が作ったおいしいものを食べて欲しくて、でも私料理できないから簡単なものにしたの」


「それで牛丼か……」


「大丈夫!お米もお肉も最高級ブランドだから。おいしいはずだよ」


俺が気にしているのはそんなことではない!しかし時間も無いので俺は仕方なく食べることにした。


「いただきます……パクッ…ごちそうさま」


「なんでよ!まだ一口しか食べてないでしょ!!」


「アホかお前は!!朝からこんな油まみれのもの食べたら胃がもたれるに決まってる!ほら学校行くぞ!」


「しょうがないな~。うん、行こっ!」










俺たちは電車通学だ。といっても学校の最寄り駅までは二駅しかない。さっきの家での出来事でわかった通り、俺は1人暮らしだ。母さんは俺を産んで死に父さんはアメリカに出張中だからだ。家はマンションだ。俺の隣を機嫌よく歩いている幼馴染、清水寧々は高校から俺が1人暮らしになるのを聞いて、俺の部屋の隣を小遣いで買い取りやがった。言い忘れていたが寧々は俺の父さんが勤める会社の社長の娘。お金ならあるということね。


「そういえばもう10月か…」


「それがどうかしたの?」


「いや、時間が経つのは早いなと思ってね」


「諄君、おじいちゃんみたいだよ」


そういってクスクス笑う寧々。こうして見たら美少女なんだがな……。そう、寧々は高校に入って一週間で15回も告白されるほどの美少女なのだ。いまでもたまに告白されるらしい。そんな女の子と幼馴染の俺を羨ましいと思う奴らは学校でも大勢いる。


[まもなく~ーーーまもなく~ーーー。御下りの際は…]


「着いたよ諄君」


「言われなくてもわかってます」


学校の最寄り駅に着き、改札を出る。周りには同じ制服を着た男女が何人もいて、同じ方向に歩いていた。


「はい、諄君」


「………何?」


俺に手を差し出してくる寧々。その行為の意味はわかっているがあえてとぼける。


「む~わかってるくせに~」


「何のことかわからないので僕はこれで」


そういって俺は校門めがけて猛ダッシュ!公然でそんな恥ずかしいことできる訳がない。


ガシッ!


あら?何かが僕の肩を掴んで動けないよ?


「ダメだよ諄君。私から離れちゃ」


言うまでもなく俺の肩を掴んでいたのは寧々。顔は笑ってるが目は笑っていない。


「………はい」


「じゃ、一緒に!!学校に行こっか」


「すいませんでした」


何故か謝ってしまう情けない俺。誰か慰めて………








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