止めた郵便・報道の夜
夕方までに、最初の説明と異なる証言が一つ届いた。ノアは未確認の距離や異名を記事から外す。説明できない空白を派手な能力へ置き換えれば、模倣犯へ舞台を渡してしまう。
名簿を作れば救いが来るという噂が広がるほど、会へ偽の資料が増えた。リアは一件ずつ警察番号を確かめ、存在しない被害者を作らせない。
模倣犯の銃からは弾丸と薬莢が回収された。二発撃ち、無関係な者を傷つけた事実も一致しない。似せた言葉より物証が分類を決める。
警護計画は射線候補を減らせても、未知の手段を塞いだとは言えない。起きなかった日は成功として祝い、理論の証明には使わなかった。
発砲音を聞いたという証言は毎回あるが、方向は一致しない。都市の反響、車の破裂音、後から得た情報が記憶へ混ざる可能性を班は除けなかった。
夜になっても新しい通報はなかった。何も起きない静けさを安全と呼ばず、当直は予定どおり交代する。
夜勤者は窓を閉め、屋上扉の封印を確かめた。手順が射手を止める保証はなくても、確認しなかった空白を翌朝へ残さない。
マーラは会議の最後に反例を読み上げた。条件へ合うのに撃たれない者がいる。その存在を無視しない限り、選定規則はまだ仮説だった。
標的以外の負傷者がいないという記録は、射手を善と呼ぶ材料にはならない。誰にも裁かれず一人を殺せる事実が、捜査側には最も重かった。
現場へ残らないものを想像で補えば、どんな武器もどんな人物も作れてしまう。合同班は空欄を空欄のまま保存し、可能と確認済みを分けた。
一件ごとの担当者は変わっても、記録形式だけは統一された。次に別の州で起きた時、最初の数時間を過去の照合へ使えるようにするためだった。
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