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第二章
リンク先は、昔使っていた小説投稿サイトの残骸だった。今はほとんど人影もなく、更新も止まったまま。それでも確かに、あの物語はそこに眠っていた。
――ああ、これだ。
タイトルを見ただけで胸がいっぱいになる。ページを開けば、粗い文章の羅列に当時の熱狂が宿っていた。
読み進めるうちに、十年前の夜が鮮やかによみがえる。机に伏せて読んだページ、書き込み合った掲示板、深夜の興奮。
気づけば、会社の翌日の資料作りを放り出し、夢中でスクロールを続けていた。社会人になってから、何かにこれほど没頭したのは初めてだった。




