12/12
終幕
僕は新しい短編を書き下ろした。十年ぶりの続編。
公開と同時にネットは大騒ぎになり、ゆっくり解説動画はミリオン再生を突破した。
かつての小説は、完全に「再ブーム」となったのだ。
僕はただのアニメファンから、文化をつなぐ橋渡し役になっていた。
その熱はついに、原作アニメの制作会社を動かした。
十数年ぶりに「リメイクアニメ」が発表される。最新の作画技術、豪華なスタッフ。テレビで新しいオープニングが流れた瞬間、僕の目には涙が浮かんだ。
十年前、眠い目をこすりながらリロードした夜を思い出す。
物語は終わらない。誰かが読み続け、語り継ぐ限り。
――僕らがあの夜に燃やした薫風は、今も生きている。
物語は、リロードされ続けるのだ。